赤字ローカル線が失われると、交通弱者や社会的弱者の「アクセス」が失われます。(ペイレスイメージズ/アフロ) JR北海道管内では、数多くの赤字路線が廃止されてきました。現在は、日高本線の廃止に関する議論が焦点となっています。 赤字路線が廃止されるとき、誰のどのような「アクセス」が失われるのでしょうか? 2011年8月、最後になるかもしれない日高本線・浦河駅で私は2011年8月、北海道・浦河町を訪れ、4日間滞在しました。 浦河町では、1980年代から精神障害者たちが共同生活を行っており、その中心となっている「浦河べてるの家」には世界中から視察が絶えず、今や、町の貴重な観光資源にもなっています。 東日本大震災直後、私は浦河町について、 「町に住んでいる精神障害者たちを、町の人たちが守ろうとして一緒に避難したので、みんな津波から助かった」 という噂を耳にしました。 その瞬間は「なんと素晴らしい」と