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ブックマーク / www.ringolab.com (34)

  • 知の広場――図書館と自由 - 情報考学 Passion For The Future

    ・知の広場――図書館と自由 司書歴30年、イタリアの有名公共図書館のリノベーションにかかわってきた著者が、21世紀の図書館のあり方について語る。インターネット時代の、高齢化の時代の図書館のあるべき姿は「屋根のある広場」。世界の図書館の意欲的な変革の事例を次々に取り上げて、旧態依然とした図書館業界に未来像を示す。成功している図書館の事例写真集が冒頭にあってイメージが湧く。素晴らしいだった。 「私たちは、対話の場、知り合う場、情報の場をもう一度創ることができると思いますし、またそうした場を必要としています。それが、広場でありながら図書館でもある。つまり、屋根のある広場───映画を借りるのと同じように、友達に会いに行くということが大切に思われる場───なのです。」 インターネットにつながったパソコンがあれば多くの情報収集が自宅でできる先進国において、図書館の役割は大きな変化を求められている

  • 性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか - 情報考学 Passion For The Future

    ・性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか タイトルがストレートすぎるが、内容はいたって真面目な科学読み物である。進化生物学と脳の認知系の研究者が書いている。この分野では研究者たちは、性器にセンサーをつけての実験、きわどい単語が並ぶアンケートなど、データをとるのがとても困難な研究テーマに挑んでいるわけだが、近年、実に貴重な研究用データの鉱脈を掘り当てたそうだ。それはインターネットである。 このの前半の圧巻はネットの利用調査の紹介だ。検索エンジンに入力された4億のキーワード、65万人の検索履歴、4万のアダルトサイト、数千の官能小説サイトなどをデータマイニングすることで、ネット上の性的欲望の実態を明らかにした。これが興味位的にも、科学的にも極めて面白いのだ。 4億のキーワードのうち、13%にあたる5500万の語句がエロチックコンテンツを探すためのキーワードだった。5

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    Imamu 2012/02/22
    「男は、女性の大きな胸などひとつのキューだけでも性的興奮を覚えるが、女はいくつかのキューが集まらないと性的興奮が高まらない」「女性は男性との関係において安全性や環境面も重視する」いったん話半分で受容
  • 利他学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・利他学 これは面白かったなあ。利己的に活用もできそうな利他学の。 人はなぜ赤の他人を助けるのかの科学。 自分が損をして相手を助ける。赤の他人ではなく血を分けた近親者を助ける利他行動は、わかりやすい。自分が犠牲になっても、相手と共有した遺伝子が次の世代へ残っていくから、そうするという理由で、説明がつく。それに同じ場所に暮らすものどうしなら、今日は助けても、明日は助けてもらうことになるかもしれない。お互いさまの直接互恵性は利他行動の基だ。 しかし、人間は見返りを期待できない赤の他人も助ける。電車では老人に席を譲るし、道で困っている人を見捨てない。見返りが期待できない大きな集団の中で、間接互恵性を発揮する大きな理由として「評判」があるという。「あの人は親切だ」いう評判があれば、集団内で利他的にふるまってもらえる可能性が高くなる。 利他性を引き出す方法が社会心理学の実験からわかってきている。

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    Imamu 2011/10/18
    『「他者の目がある」「鏡がある」「異性の視線」。そういう環境をつくれば人間は利他的になる。それってどういう空間だろうと考えてみたが、実名実写真のフェイスブックの環境がまさに』
  • Passion For The Future: 快楽の脳科学:インターネットの快楽

    快楽の脳科学~「いい気持ち」はどこから生まれるか スポンサード リンク ・快楽の脳科学~「いい気持ち」はどこから生まれるか 疲れ、笑いと書評が続いて次、快楽です。情動と脳の仕組みに関心があって関連を続けて読んでいます。 このは、医学博士で理研にも在籍経験のある学者の書。およそ考えられる「気持ちいいこと」、「快楽」について語られている。 ■管理職のサル ここで紹介されている米国のジョー・ブレイディ博士の実験の紹介は面白い。 サルを椅子に座らせ、2頭並べて実験をする。どちらの目の前にもスイッチがあるが、一頭の前のスイッチは機能しないダミーである。ときどき不快な電気刺激がやってきて、物のスイッチを押した方は、それを回避できる。ダミースイッチの前のサルは何をしてもだめである。 つまり、ここには二種類のサルがいる。 1 嫌な刺激を自分の力で回避できるサル 2 嫌な刺激を他人任せにするしかないサ

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    Imamu 2011/09/09
    『「予測できないこと」「対処できないこと」がストレスの主因』『食欲や性欲の中にも「自分」が散在』
  • 創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 - 情報考学 Passion For The Future

    ・創られた「日の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 演歌はいつから「日の心」なのか? 昭和を歌う演歌は不思議である。登場人物の多くが、下積み中の流しの歌手であったり、不幸な身の上のホステスだったり、不倫で心中しようとしている女だったり、一般大衆というにはプロフィールが偏っている。その人生は経済成長の時代背景に反して「暗く、貧しく、じめじめして、寒々しく、みじめ」なイメージに満ちている。 著者はまず「日の心」としての演歌は60年代にはじまり70年代に完成した比較的新しい文化なのだということを明らかにする。明治・大正には社会批判を歌う演歌の伝統があったが、昭和の演歌とは別物であり、それは昭和40年代のレコード業界の再編と専属歌手制度と密接な関係があったそうだ。流し、ドサ回り、長い下積みといった要素は歌手のおかれた背景に由来する。 「推測するに、設立当初のクラウンレコードは経営難であ

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    Imamu 2011/08/01
    「下層・アウトサイダーの逸脱がメディアを通して、民衆的・大衆的な「国民文化」として定着していく事例」
  • ブスがなくなる日 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ブスがなくなる日 面白かった。美容ジャーナリストによる男女の見た目格差研究。ブスと美人の定義の歴史、それぞれの時代の両者の生き方など興味深い論点が満載。井上章一の『美人論』が好きな人は、現代版としてこのをおすすめ。 著者いわくメイクの進化や安カワ服のおかげで街からブスが消えたという。"規格外れ"の顔を、美しいとされる理想顔に近づけるのが庶民でも簡単になったからだそうだ。空気を読む人が増えたのと連動して、自身の容貌に気を使う人が増えてきたというのもあるかもしれないと思う。 明治初期の日人の顔は「貴族階級は細長く、庶民は丸ないし四角い」だったと当時の外国人の記述がある。日の原住民としての丸顔の縄文人と、細長の渡来弥生人。しだいに前者が後者を支配するようになって「色白で鼻筋が通っていて、細面」が美人の基形となった。今もその影響は続いている。 「弥生時代の埴輪顔、平安時代の引目鉤鼻、江戸

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    Imamu 2011/06/23
    「メイクの進化」「安カワ服」「民主的になると同時に、美を巡る女性の競争もし烈になる。美容の市場はここで誕生」
  • チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌 - 情報考学 Passion For The Future

    ・チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌 ウクライナアメリカ人ジャーナリストによる長年のチェルノブイリ訪問取材をまとめた渾身のルポタージュ。ロシアウクライナ、ベラルーシにまたがる原発事故の地の意外な真の姿がわかる。 視覚的にはチェルノブイリは死の街などではない。 「ところが事故の十年後の1996年に初めてチェルノブイリ地区を訪れると、驚いたことに、いちばん目につく色は緑色だった。このときの取材記録を見ると、「原野」や「森」や「野生生物か!?」などの語句を下線で強調したり、丸で囲んだりした説明がびっしりと書きつらねられている。通説や想像とうらはらに、チェルノブイリの土地は独特の新しい生態系に生まれ変わっていたのだ。悲愴な予言などものともせず、ヨーロッパ最大の自然の聖域として息を吹き返し、野生の生物で満ちていた。動物は、思いもかけず魅力的な棲みかとなった森や草原や沼と同様に、放射性物質で

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    Imamu 2011/05/16
    「不自然な自然」「意図せぬ自然公園」「統計をややこしくする社会的要因(チェルノブイリ手当)」「常に人々は線量計をつけている」
  • 「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 - 情報考学 Passion For The Future

    ・「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 ソーシャルネットワークとコミュニケーション重視の時代の問題提起。 「家族や仲間の承認のみを求め、それ以外の人々の承認を求めないのは、多くの人間の賞賛を求める野心とは無縁な、ある意味で堅実な生き方のように思えるかもしれない。理解してくれる人が少しでもいればそれでいい、という思いも十分に理解できる。しかし、見知らぬ大勢の人々の承認など不要だとしても、自らの行為に価値があるのかないのか、正しいのか間違っているのかについて、身近な人間から承認されるか否かのみで判断し、それ以外の人々の判断を考慮しないとしたら、それはとても危険な考え方である。」 価値ある行為を行う、それに対して、他者から承認を受ける。この基ルールでの人間の成長が難しくなってきている。価値観の多様化によって社会共通の価値観が崩れ、「価値ある行為」が限定的なものになってしまったことに原因が

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    Imamu 2011/05/01
    「若者の価値観の多様化と普遍的価値観の喪失を嘆くのは、自分たちの声が届かなくなることに対する古い権威たちの嘆きだともいえるだろう」
  • 裸はいつから恥ずかしくなったか―日本人の羞恥心 - 情報考学 Passion For The Future

    ・裸はいつから恥ずかしくなったか―日人の羞恥心 ペリーの日遠征に随行した画家の「下田の公衆浴場」という絵には、全裸の男女が秘所を隠すこともなく混浴の浴場でくつろぐ様子が描かれている。若年や中年の男女が多いが、誰も互いの裸体に欲情していないし、恥ずかしさも感じていないことがみてとれる。この絵を見たアメリカ人は日人を「淫猥な人たちだ」といい、フランス人は「日人に羞恥心はない」といい、オランダ人は「男女の性別を気にしていない」といって驚き、そして軽蔑した。 150年前の日では「男女が無分別に入り乱れて、互いの裸体を気にしないでいる」のは普通だったのだ。江戸時代の日人にとって、裸体は顔の延長のようなものであり、現代人の我々がスッピンの顔を見られても恥ずかしくないように、裸を見られても平気だった。 江戸時代の日人がいかに裸に対しておおらかだったか、具体的な記録から明らかにされる。若い娘

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    Imamu 2010/08/26
    『ハダカが商品になること自体が、この明治政府の西洋化政策の影響の延長にあるといえるだろう』類書でもこの指摘は定番だけどそこからどこまで掘り下げられているのだろう
  • 音楽好きな脳―人はなぜ音楽に夢中になるのか - 情報考学 Passion For The Future

    音楽好きな脳―人はなぜ音楽に夢中になるのか 認知心理学者、神経科学者であると同時にレコード・プロデューサーとしての異色のキャリアを持つ著者が、音楽を脳はどうとらえているのか、研究成果を一般向けにわかりやすく語る。クラシックだけでなくロックやジャズなどのポップスを研究材料としてしばしば取り上げている。ビートルズやストーンズ、ジミ・ヘンドリクやチャーリー・パーカーが脳にどういう影響を与えるかというなのだ。 音楽の魅力はどこから来るのか?。それは脳にとっての予測可能性と意外性のバランスであると著者は答えている。 「音楽は、期待を体系的に裏切ることによって私たちの感情に語りかけてくる。このような期待への裏切りは、どの領域──ピッチ、音質、音調曲線、リズム、テンポなど──でも構わないが、必ず起こらなければならない。音楽では、整った音の響きでありながら、その整った構成のどこかに何らかの意外性が必要

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    Imamu 2010/06/16
    「脳にとっての予測可能性と意外性のバランス」「音楽は、期待を体系的に裏切ることによって私たちの感情に語りかけてくる」「人は十代の頃に聞いていた曲を~、「自分の時代」の曲として生涯覚えている」
  • キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 - 情報考学 Passion For The Future

    ・キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 著者によると、子供たちが恐れているのは、経済的な格差ではなくて、人間関係の格差だという。そして格差をつけない「優しい関係」を維持するために"キャラ"がある。ボケとツッコミのような役割をバーチャルに身にまとうことで、自分を守り、人間関係を安定させるのだ。 「若い人たちは、グループのなかで互いのキャラが似通ったものになって重なり合うことを、「キャラがかぶる」と称して慎重に避けようとします。それは、グループ内での自分の居場所を危険にさらすからです。しかし、グループ内に配分されたキャラからはみ出すことも、また同時に避けようとします。それもグループ内での自分の居場所を危険にさらすからです。一般に、芸人の世界はボケとツッコミの相補関係で成り立っていますが、彼らもまた、ボケ役とツッコミ役のように互いに補完しあうキャラを演じることで、人間関

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    Imamu 2010/06/13
  • モードとエロスと資本 - 情報考学 Passion For The Future

    ・モードとエロスと資 モードやファッションの激変を通して現代社会の消費行動を読み解く。 まずオトコとオンナの欲望の消費スタイルが大きく変わったのだという。 「資主義と手を携えていたモードは20世紀までは恋愛の物語をエネルギーとしてそのサイクルを回転させていたが、資主義の行きすぎに伴って、「面倒くさい」性愛を代行するビジネスが出現し、服を売るための過大な恋愛幻想が逆に物の恋愛を遠ざけていき、結果、モードから恋愛の要素が薄まっていった。」 私が大学生の頃、トレンド雑誌には、クリスマスはドレスアップして、高級レストランで事して、高級ホテルに宿泊なんて、大学生らしからぬ恋愛幻想がバブル経済によって、広められていたが、不況や男の草化によって恋愛とモードの蜜月関係が崩れた。 「エロスが抜け落ちた、あるいは薄まったモードは、「倫理的」になる一方、恋愛や性愛の要素をあまり伴わない。女性主体の「

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    Imamu 2010/06/07
    「モードは20世紀までは恋愛の物語をエネルギーとして~恋愛の要素が薄まっていった」「女性主体の「カワイイ」と「エロい」~極めれば極めるほど、エロスは遠ざかっていくというスパイラルを」
  • 日本文化論のインチキ - 情報考学 Passion For The Future

    ・日文化論のインチキ 『菊と刀』『甘えの構造』『中空構造日の深層』『陰翳礼讃』『タテ社会の人間関係ー単一社会の理論』『共同幻想論』『空気の研究』などなど、名著、ベストセラーとされる日文化論、日人論の100冊以上をメッタギリにする痛烈な日文化論・論。私も日文化論は好きで、このブログでも多く取り上げてきたが、そのほとんどが槍玉に挙げられている。 なにがイケナイのか?。これは日独自のものだというもののほとんどが外国にもある、そもそも文化質などという"ないもの探し"をするのがおかしい、という論旨で、多くの日文化論をインチキと認定していく。 「要するに、西洋の歴史から何か普通名詞、つまりカテゴリーを作り上げ、それに日歴史を当てはめようとするのが間違いなのだ、と普通には考えられるが、実際はそうではなくて、歴史に法則性や、何か深い原因のようなものを探ろうとする行為自体に、非科学的

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    Imamu 2010/06/03
    『文化論は分析でなくオピニオンであり、その提唱者は研究者ではなくて、オピニオンリーダーそのものなのだと私は考える。であるから、インチキもトンデモもなくて、成功した文化論と失敗した文化論があるだけだと』
  • 影響力 その効果と威力 - 情報考学 Passion For The Future

    ・影響力 その効果と威力 人間関係における影響力とは何かを社会心理学的に総括する新書。よくまとまっている。とても勉強になる。そして面白い。 まず10の影響力が分類されて個別に説明されている。 1 賞影響力 賞のコントロール 2 罰影響力 罰のコントロール 3 専門影響力 専門的知識 4 正当影響力 高地位、資格 5 参照影響力 理想像 6 魅力影響力 魅力性 7 情報影響力 説得力ある情報の提示 8 対人関係影響力 コネクション 9 共感喚起影響力 苦境の提示 10 役割関係影響力 役割に基づいた要求 基は賞罰であり、その上に3~6の影響力が形成される。7~10は影響する人がリソースを持たない場合の影響力という分類になっている。 身近なところではたらく影響力の中身も解説が多くある。 たとえば、ある人を好意的に思うようにさせる要因 (a)近接性「近くにいる人、好きになる」 (b)容貌「見た

  • 教養としての官能小説案内 - 情報考学 Passion For The Future

    教養としての官能小説案内 まず著者紹介に目がとまった。 「1933年東京都に生まれる。40年以上にわたり、年間300編の官能小説を読みこなし、新聞、雑誌などに紹介しているこの分野の第一人者。」 この人、40年間×300編で累計12000編以上の官能小説を読み続けてきたのか。それだけで十分に、ちょっとお話を聞いてみたくなる数字だ。 「人間の性欲は、それほど動物的にはできていない。「女性器に男性器を挿入した」という文章を読んでも、現代人はもはや刺激を受けないのだ。官能小説家たちは、われわれの贅沢で多様な欲望に応えるため、ストーリー設定や主要キャラクターの造形、あるいは性交・性器病者の技法、さらにはタイトル付けなど、あらゆる側面でその表現を深化させてきた。」 美少女、人、女教師、くノ一、尼層、少年もの、性豪もの、凌辱系や癒し系など多種多様なジャンルにおける文学史を、年代順で代表的な作家の作品

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    Imamu 2010/03/26
    「官能小説は同時代の男女関係を色濃く映すものだという~女性の社会進出が進んだ頃は、官能小説の中の女も自立して強く~反動として女性征服ものも盛んに~草食系男子が増えた現代では、男性の攻撃性が薄れて」
  • セクシィ・ギャルの大研究―女の読み方・読まれ方・読ませ方 - 情報考学 Passion For The Future

    ・セクシィ・ギャルの大研究―女の読み方・読まれ方・読ませ方 上野千鶴子の"処女喪失作"が四半世紀ぶりに文庫化。カッパブックスから岩波現代文庫へ。 「男は「女らしさ」を振つけし、読みとり、鑑賞し───そしてもちろん、発情する。この「らしさ」のカタログは、男たちの作ったマスメディアの中に、うんざりするほど登場する。いまからお目にかけるのは、広告というもっともポピュラーな媒体に登場する、女たちの「らしさ」のカタログであり、その隠されたメッセージを読みとく手引きである。」 四半世紀経っても男の目から見てのセクシー=「女らしさ」はあまり変わっていないように思える。四つん這いだとか、体をくねらせるとか、流し目、濡れた唇に、男はついついそそられてしまう。広告はそうした男性の心理を利用して、巧妙に商業的メッセージを発信してきた。 「女らしさ」は男性が文法をつくりだす。こんな面白い研究が紹介されている。 「

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    Imamu 2010/02/03
    ほう「四半世紀ぶりに文庫化」『「女らしさ」は男性が文法をつくりだす』『いい女って何かという問題には、「口説けば落ちる」と男に思わせること、もっというなら「やらせる女」(ビートたけし)のイメージだと』
  • 図説「愛」の歴史 - 情報考学 Passion For The Future

    ・図説「愛」の歴史 鑑賞に値する美しいビジュアルブック。『21世紀の歴史』を書いたフランス政府顧問のジャックアタリが、38億年前の単細胞生物の生殖から未来の複雑な男女関係まで、愛を視点に地球史を展望した。愛や結婚をモチーフにした美術作品や写真など合計200点を超えるカラー資料をまじえた豪華絢爛な絵巻。 今から8000年くらい前、富が集中した中国や中東で人間の寿命は30歳を超えた。男が生殖における自身の役割、すなわち精子の役割に気がついたのが、この頃だったとされる。それまでの人類はどうやら性交と生殖の具体的な仕組みを知らなかったらしい。だからカップルの関係は長く続かず、子供も両親と長く一緒には暮らさなかった。 寿命が延びたことで、男女は長期的な愛の関係を育むようになったのである。愛のかたちはそこからぐっと多様化、複雑化する。ギリシア人は愛をエロス、フィリア、アガペーの3つの形に区別した。ロー

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    Imamu 2009/11/05
    勝間和代"35歳独身限界説"(笑)と一緒に読む「寿命が延びた((30歳超え))ことで、男女は長期的な愛の関係を育むように」「ペストの惨禍によって人間の価値、愛の価値は高まった」「最も有望な関係性とは、なんと三者関係」
  • 「歌」の精神史 - 情報考学 Passion For The Future

    ・「歌」の精神史 日人の叙情精神を「歌」という切り口で平家物語から現代歌謡曲まで通史的に振り返る。短歌や俳句も「歌」であるし、琵琶法師の平家物語や瞽女唄だって「歌」である。乃木将軍の辞世の句も、サラダ記念日も、浪花節や演歌、JPOPも歌である。 だからこのは、こんな章立てだ。 幅広い。 ・空を飛ばなくなった歌?美空ひばりと尾崎豊 ・「短歌的抒情」の否定と救済?小野十三郎と折口信夫 ・『サラダ記念日』の衝撃?斎藤美奈子と富岡多惠子 ・浪花節と演歌?朝倉喬司と春野百合子 ・『平家物語』の無常観?小林秀雄、唐木順三、石母田正 ・吉川英治と『平家物語』 ・挽歌の伝統と「北の螢」?古賀政男と阿久悠 ・西行と啄木のざわめく魂 ・道元と白楽天 ・親鸞の「和讃」 ・親鸞和讃と今様歌謡 ・瞽女唄と盲僧琵琶?小林ハルと永田法順 ・西條八十と北原白秋?日的叙情 最後の転換期は美空ひばりと尾崎豊のあたりにあ

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    Imamu 2009/09/10
    『古の時代から昭和まで、日本人にとって「歌」とは「身もだえの調べ」が本質であった』
  • 裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 - 情報考学 Passion For The Future

    ・裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 大変にユニークであり中身も濃く、面白い。5つ星の。 人類のはじらいの文化は、野蛮から文明化社会へ、不作法から洗練へ向かったという一般的な見方(ノルベルト・エリアスの文明論に代表される)を真っ向から否定する研究書。原始社会の人々は裸体や排泄する姿を人前に晒すことに恥を感じない野蛮な社会だったというのは根拠がないウソであるという。むしろ原始社会と言われる社会の方が恥の感性は発達しており、裸体の社会的管理も厳格だったりするのである。 全裸で暮らす≪未開の≫部族は、一見、裸に対して羞恥心を持たないかのように思えるが、実は彼らはお互いの裸体を見ないように暮らしているのだ。うっかり男性自身を硬直させないよう女性に近づかないように心掛ける。もし少女の陰部をみつめたりすればその親に報復されたり、村から追放される厳しいルールがある、などということが解説されてい

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    Imamu 2009/09/08
    心理的な「幻の衣」『裸の社会では、服を着た人たちより礼儀正しく振る舞わねばならない。言葉、身振り、視線もすこぶる慎重で用心深くなければならない』
  • 読書の歴史―あるいは読者の歴史 - 情報考学 Passion For The Future

    読書歴史―あるいは読者の歴史 古代の甲骨文字や碑文から、現代のデジタルテキストまで、古今東西の読書と読者の歴史を博覧強記の著者が、次のようなユニークな20のキーワードで語っている。いつか書かれる「決定版 読者の歴史」のため敢えて未完の体裁をとっているが、極めて網羅的で完成度の高い歴史書である。名著。 20の章立て: 「陰影を読む」「黙読する人々」「記憶の書」「文字を読む術」「失われた第一ページ」「絵を読む」「読み聞かせ」「書物の形態」「一人でを読むこと」「読書の隠喩」「起源」「宇宙を創る人々」「未来を読む」「象徴的な読者」「壁に囲まれた読書」「書物泥棒」「朗読者としての作者」「読者としての翻訳者」「禁じられた読書」「書物馬鹿」 現代人が普通だと考えている読書スタイルは、長い文字文化歴史の中で比較的最近になって確立されたものだということがわかる。 西欧では10世紀くらいまで、読書は原

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    Imamu 2009/08/13