2020年11月、広島県東広島市の住宅で、庭に埋められた乳児の遺体が見つかった。死体遺棄容疑で逮捕されたのは技能実習生のベトナム人女性。自室のある社員寮で女児を産んだ後、必要な保護をしなかったために死亡させ、遺体を敷地内の土中に埋めたと判決で認定された。 技能実習中の女性がひそかに妊娠・出産し、同様の罪に問われるケースが相次いでいる。「妊娠したら帰国させられる」と、実習生の間で信じられているためだ。制度上、妊娠・出産による不利益な扱いは禁じられているが、十分な相談体制もなく、必要な情報を得ていない実習生には分からない。多くは日本語が不自由で、地域との交流もなく孤立していることが、悲劇が繰り返される原因となっている。 広島のベトナム人女性スオン・ティ・ボット被告(27)には逮捕後、判決までに広島拘置所で同僚記者と合わせて計8回接見し、彼女が置かれていた状況を詳しく聞いた。浮かび上がったのは、