高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などは4日、宇宙成立の謎を解明するのにつながる「CP対称性の破れ」に関するデータについて、「破れ」がある可能性が95%まで高まったと発表した。今後精度が高まればノーベル賞級の発見になると期待されている。 宇宙誕生時には、粒子が元になった物質と、反粒子が元の反物質が同数あったとされるが、物質は現在も残って星や銀河、生命を構成しているのに対し、反物質はほとんど存在しない。こうした違いが起こる原因は専門的には「CP対称性の破れ」と呼ばれ、宇宙成立の謎を解く鍵とされてきた。 チームは、加速器施設「J-PARC」(同県東海村)で作り出した素粒子のニュートリノを発射し、295キロ離れた東京大の「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で検出する実験を実施。ニュートリノが空間を飛ぶ間に別の型に変わる「ニュートリノ振動」という性質に着目して粒子と反粒子との変化の違