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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (67)

  • 悪質な経済学批判であることの18の兆候 - himaginary’s diary

    をカナダ・ビクトリア大学のChris Auldが自ブログエントリで挙げている。以下はその18項目。 マクロ経済予測を、経済分析の主要ないし唯一の目標と見做している。 政治的な枠組みで批判する。最も一般的なのは、経済学者は市場原理主義者である、という主張。 「新古典派」という言葉をあたかも政治哲学、一連の政治対策、もしくは実際の経済を指すかのように用いる。おまけ:「新−古典派」(“neo-classical” or “Neo-classical”)と綴る。 「例の」新古典派モデル(“the” neoclassical model )という形で言及する。さもなくば、すべての経済思想がワルラス(1874)に詰まっている、と言う。 「新古典派経済学」と「主流派経済学」を同義で用いる。おまけ:「新自由主義経済学」を両者と同義で用いる。 「新自由主義」という言葉をとにかく用いる。 「企業のご主人様」に

    悪質な経済学批判であることの18の兆候 - himaginary’s diary
    Itisango
    Itisango 2013/10/26
    経済学批判に関するありがちと経済学者のありがち。確かにありがちかもしれない。
  • 非政治化された数学のせいで経済学は駄目になった - himaginary’s diary

    というブログ記事をヘリオットワット大学のファイナンス数理学者ティム・ジョンソン(Tim Johnson)が自ブログ「Magic, maths and money/The relationship between science and finance」に書き、Economist's Viewでリンクされたほか、Gavin Kennedyが紹介している(原題は「How economics suffers from de-politicised mathematics」。ちなみにKennedyの紹介記事のタイトルは「Mathematical Truths Do Not Make Untrue Assumptions in Economics True」)。 そのエントリでジョンソンは、ゲーデルの不完全性定理によるヒルベルト・プログラムの挫折と、その後のニコラ・ブルバキ(実体はフランスの数学者グ

    非政治化された数学のせいで経済学は駄目になった - himaginary’s diary
    Itisango
    Itisango 2013/09/24
  • なぜ右派はケインズ経済学を嫌うのか? - himaginary’s diary

    についてChris Dillowが考察している。 彼はまず、来は政治的立場とケインズ経済学に対する好き嫌いには関連は無いはず、として、その理由を4つ挙げている: (測定が困難な)財政乗数の大きさという問題は技術的な話であり、政治的見解の話ではない。乗数が0.5ではなく1.5だった、というのは、貴兄が左派か右派かには無関係な話。 大きな政府を支持せずにケインズ経済学を支持することは可能。それはケインズ自身の立場だった。Mark Thomaが述べたように、「政府の規模とケインズ的な安定化政策の間に必然的な関連は存在しない。」 短期の階級的な利己主義のために英国の保守党がケインズ経済学に反対している、というのも疑わしい。財政拡張策は雇用だけではなく利益にとっても追い風となる。もし拡張策が金利の上昇をもたらすならば、保守党の支持層の大きな一角を占める引退者層にとっても良い話。 50〜60年代には

    なぜ右派はケインズ経済学を嫌うのか? - himaginary’s diary
  • 抱擁資本主義の包容力 - himaginary’s diary

    アセモグル、ロビンソンとThierry Verdierの論文「Can't We All Be More Like Scandinavians? Asymmetric Growth and Institutions in an Interdependent World(我々皆がスカンジナビア諸国のようになることはできないのか? 相互依存世界における非対称的な成長と制度)」をレイン・ケンウォーシーが紹介している(Economist's View経由)。 以下はケンウォーシーがまとめた同論文が提示するモデルの概要。 「熾烈(Cutthroat)」資主義は成功者に多額の報酬をもたらすため、所得格差が高まるが、起業家を数多く生み出し、イノベーションを促進する。「抱擁(Cuddly)」資主義は起業家の報酬がより少なく、リスクに対する保障はより寛大である。所得格差は拡大しないが、イノベーションもそれ

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    Itisango
    Itisango 2012/09/30
  • 早期退職は早死ににつながらない - himaginary’s diary

    以前、早期退職が寿命を縮める、という研究結果を紹介したことがあったが、それを否定する研究がノルウェーから出た(Economic Logic経由)。 以下はその要旨。 This paper studies the relationship between retirement and mortality, using a unique administrative data set covering the full population of Norway. We make use of a series of retirement policy changes in Norway, which reduced the retirement age for a group of workers but not for others. By employing a difference-in

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    Itisango
    Itisango 2012/09/16
  • 政府の効率性を測る手紙 - himaginary’s diary

    というアンドレイ・シュライファーらのNBER論文(ungated版WP)をConversable Economistが紹介している(原題は「Letter Grading Government Efficiency」で、著者はAlberto Chong, Rafael La Porta, Florencio Lopez-de-Silanes, Andrei Shleifer)。 以下はその要旨。 We mailed letters to non-existent business addresses in 159 countries (10 per country), and measured whether they come back to the return address in the US and how long it takes. About 60% of the lette

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    Itisango
    Itisango 2012/08/27
  • ケインズ理論と相対性理論 - himaginary’s diary

    少し前のはてぶで呟いたように、非自発的失業について論じる人はケインズ経済学を裏付けとして用いているのを小生は当然視していたのだが、そのはてぶのリンク先ブログエントリに書かれているように、今の世の中ではそれは裏付けのうちに入らないらしい。その辺りの事情は、ネットで最近見掛けた https://twitter.com/maeda/status/235709226058645505:twitter というツイートに良く表わされている。 このツイートのリンク先では、ケインズ経済学のミクロ的基礎付けを、従来のワルラス的枠組みから離れた形で構築することを試みているとの由*1。そういえば、こちらやこちらにあるように、最近、各経済学者が自分なりのケインズ解釈を相次いで打ち出している。それに便乗するわけでもないが、今日は、ケインズ経済学について小生が前から漠然と考えていたことを、いわば「my two cen

    ケインズ理論と相対性理論 - himaginary’s diary
  • わかりはじめた1930年代のレボリューション - himaginary’s diary

    Mostly Economicsが紹介している1999年の論文「The Keynesian Revolution and the Nominal Revolution: Was There a Paradigm Shift in Economic Policy in the 1930s?」で、アイケングリーンがサムナーと見紛うような主張を展開している。 Monetary policy, not fiscal policy, was the force behind recovery from the Depression. Whether central banks cut interest rates and stabilized the supply of money and credit was the single most important determinant of the

    わかりはじめた1930年代のレボリューション - himaginary’s diary
  • 何が国家の繁栄を決めるのか? - himaginary’s diary

    下記のダロン・アセモグルとジェームズ・ロビンソンの新著の内容が、MITニュースで紹介されている。 Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty 作者: Daron Acemoglu,James Robinson出版社/メーカー: Currency発売日: 2012/03/20メディア: ハードカバー購入: 13人 クリック: 175回この商品を含むブログ (12件) を見る 以下は同記事の概要。 米国のように繁栄する国家がある一方で、貧困に留まる国家もある。また、古代ローマやソ連のように強国なのに崩壊する国家もある。アダム・スミスやマックス・ウェーバーから今日の学者に至るまで、多くの学者がこの問題に取り組んできた。 アセモグルとロビンソンが出した回答は政治体制。包括的な(inclusive)政治体制、即ち、政

    何が国家の繁栄を決めるのか? - himaginary’s diary
  • 消費税、法人税、所得税と設備投資 - himaginary’s diary

    nyanko-wonderfulさんとBaatarismさんが相次いで消費税増税を取り上げ、消費税をはじめとする各種税金の推移グラフを示した。それらのグラフを見て小生の目を惹いたのが、話題の消費税や法人税の推移もさることながら、バブル崩壊以降の所得税の急低下ぶりであった。 nyanko-wonderfulさんの示されたデータソース「長期時系列データ|統計情報|国税庁」を見てみると、一口に所得税と言っても、まず申告所得税と源泉所得税に分かれ、さらに源泉所得税の対象所得が、利子所得、配当所得、上場株式等の譲渡所得等、給与所得、退職所得、報酬・料金等所得、非居住者等所得に分かれていることが分かる。そこで、以下では、所得税を申告所得税、利子所得税、配当所得税、給与所得税、およびそれ以外の所得税に分け、法人税と消費税と並べて描画してみた(単位:兆円[以下同じ])。 これを見ると、申告所得税、利子所得

    消費税、法人税、所得税と設備投資 - himaginary’s diary
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    Itisango 2012/03/11
  • 富裕層がケイマンに資産を移す理由 - himaginary’s diary

    は節税ではない、という記事がSmartMoneyに上がっている(The Big Picture経由)。 シカゴの弁護士に取材したというその記事によると、世界のどこで収益を上げようとも米国政府の課税対象となる上に、米国内にも節税商品は多々あるので、節税のためにケイマンに資産を移すメリットはあまり無いという。もちろん資産隠しのような違法な目的で移しているケースもあるだろうが、それに対する罰則は国内での脱税に対するものよりも厳しいとの由。 では、なぜ富裕層はケイマンに資産を移すのか? 件の弁護士によると、その理由は昔ながらの理由と最近の理由の二つあるという。 昔ながらの理由は、法的リスクである。即ち、訳の分からない訴訟の標的にされて不当な判決が下された場合に、米国の司法が及ばないオフショアにある資産は保護できるから、とのことである。 最近の理由は、現政権の反富裕層的な雰囲気を警戒して、というもの

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    Itisango 2012/02/16
    " シカゴの弁護士に取材したというその記事によると、世界のどこで収益を上げようとも米国政府の課税対象となる上に、米国内にも節税商品は多々あるので、節税のためにケイマンに資産を移すメリットはあまり無い"
  • スティグリッツの構造改革論・続き - himaginary’s diary

    昨日紹介したスティグリッツの恐慌論への反応のうち、Roweの批判とそれに対するデロングの擁護論は、専ら理論面に焦点を当てていた。 一方、ライアン・アベントは、そもそも実際のデータがスティグリッツの議論と整合的でないことを指摘した。その後、サムナーも昨日のエントリで、実証面でスティグリッツの議論がすべて――どれか一つではなくすべての段階で――恐ろしく説得力に欠ける、と批判した。 アベントの指摘は概略以下の通り。 2008年も1929年も最初の12ヶ月の経済の悪化は似たようなものだった。しかし、当時は中央銀行が引き締め策を取ったのに対し、今回は蛇口を開けた。その結果、1930年代当時は鉱工業生産が40%近く低下し、失業率が25%を超えたのに対し、今回はそれぞれ13%の低下と10%強であった。そのことからすると、金融政策が無効だったという結論ではなく、それは重要であり、更なる緩和策がもっと今回の

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    Itisango 2011/12/18
  • スティグリッツの構造改革論 - himaginary’s diary

    スティグリッツがヴァニティ・フェアに書いた大恐慌および大不況に関する記事(H/T Mostly Economics、Economist's View)が波紋を呼んでいる。 以下はその抜粋。 ...the inability of the monetary expansion to counteract this current recession should forever lay to rest the idea that monetary policy was the prime culprit in the 1930s. The problem today, as it was then, is something else. ... The underlying cause was a structural change in the real economy: the wide

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  • S. Rao Aiyagariの動的マクロ経済学への貢献 - himaginary’s diary

    昨日に続き、ネットで見つけたもう一つのAiyagariの追悼エッセイ「The Contributions of S. Rao Aiyagari to Dynamic Macroeconomics」を訳してみる。書いたのは、今年の6月までイスラエル銀行(中央銀行)で副総裁を務めていたZvi Ecksteinと、同じくイスラエルの経済学者であるDan Peled。Eckstein、Peledともに、コンサルタントやリサーチエコノミストの形でミネアポリス連銀に在籍していたことがあるらしい。なお、このエッセイが書かれたのは2006年と比較的最近との由。 1997年に亡くなった時、S. Rao Aiyagariは45歳であり、ちょうど彼の動的マクロ経済学研究の手法が注目を集め始めていたときだった。Raoの研究は、実証的な観測結果と、マクロデータとミクロデータの差から発生した学術論争に基づいていた。特

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    Itisango 2011/11/28
  • 近代経済を形作った忘れられた本 - himaginary’s diary

    ダニ・ロドリックをはじめとして製造業ならびに産業政策の重要性を重視する人は少なからずおり、ブログでも何回かそれについて取り上げてきたが(例)、歴史的観点からその重要性に焦点を当てた研究が出た。 Translating Empire: Emulation and the Origins of Political Economy 作者: Sophus A. Reinert出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 2011/10/17メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログを見る ハーバード・ビジネス・スクールのサイトでこのの著者インタビューが掲載されている(Mostly Economics経由)。以下はその要旨。 A British merchant's long-forgotten work, An Essay on

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  • 経済成長率の1%上昇は暴動を5%減らす - himaginary’s diary

    という結果をインドのヒンズー教徒とムスリム教徒間の争いについて報告した論文が出ている(Mostly Economics経由)。 以下はその要旨。 Most studies of Hindu–Muslim riots in India have tended to emphasize the effects of social, cultural, or political factors on the occurrence of ethnic violence. In this article, the authors focus on the relationship between economic conditions and riots. Specifically, this article examines the effect of economic growth on the

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    Itisango 2011/11/12
  • プロテスタンティズムは経済発展に貢献した? - himaginary’s diary

    以前(2009/12/3エントリ)、マックス・ウェーバーの仮説を否定する実証研究を紹介したことがあったが、今度はそれを支持する実証研究が現われた(Mostly Economics経由)。書いたのは欧州大学院のChristoph Basten*1と欧州中銀のFrank Betz。 以下はその冒頭部。 Does culture, and in particular religion, exert an independent causal effect on politics and the economy, or is it merely a reflection of the latter? This question is the subject of a long-standing debate in the social sciences, with Karl Marx and Ma

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    Itisango 2011/11/03
  • 第一種過誤を恐れる物理学者、第二種過誤を恐れる経済学者 - himaginary’s diary

    CERNが光速を超えるニュートリノを観測したという今話題の発見に事寄せて、Econospeakでピーター・ドーマンが経済学者と物理学者の統計的過誤への態度の違いについて論じている。 以下はその概要。 今回のOpera(Oscillation Project with Emulsion-Tracking Apparatus)チームの発見について、プロジェクトに関わっていたメンバーの中には自分の名前を出さないように要請した者もいたという。 その理由は、これだけ常識を覆す発見だと、誤りである可能性もまた大きいからである。測定誤差が12メートルあれば、結果は引っ繰り返る。 後に誤りと判明した発見に自分の名を連ねた物理学者は、経歴に回復不能に近い傷を負う。以前説明したように、自然科学者は第一種過誤(偽陽性)を非常に深刻に受け止めるのだ。反面、第二種過誤(偽陰性)はそれほど問題にならない。 一方、経済

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    Itisango 2011/09/25
  • 米国の宇宙計画を巡るなかなか消えない10の神話 - himaginary’s diary

    という記事をスミソニアン誌が掲載している(原題は「Ten Enduring Myths About the U.S. Space Program」;The Big Picture経由)。以下はその概要。 月着陸競争の際、米国の宇宙計画は幅広い熱狂的な支持を受けた 世論調査によれば、1960年代を通じて、米国人の45-60%は政府が宇宙探査に金を費やし過ぎていると考えていた。ニール・アームストロングの着陸の後でさえ、その歴史的偉業が費用に見合ったと考えていたのは53%に過ぎなかった。 宇宙開発競争は冷戦を背景にしていたが、その危機感が薄れるに連れ、アポロ計画への支持も薄れた。 SETI協会はNASAの一部門である SETI協会は民間の非営利組織。 NASAも異星人探査の計画に参加していた時期は数十年前にはあった。1997年には、エイムズ研究所がジェット推進研究所と共同で異星人の信号を探索する

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    Itisango 2011/09/18
  • 経済学者と合理性 - himaginary’s diary

    についてアンドリュー・ゲルマンが疑問を投げ掛けた。彼によれば、経済学者は以下の矛盾した2つの考えを持っているという。 人々は合理的でインセンティブに反応する。非合理的に見える行動も、経済学者的に考えれば実は完全に合理的であることが分かる。 人々は非合理的であり、合理的で効率的である方法を虚心坦懐に示してくれる経済学者を必要としている。 この「矛盾」に対しゲルマン自身が出した答えは、以下のような皮肉に満ちたものである。 The key, I believe, is that “rationality” is a good thing. We all like to associate with good things, right? Argument 1 has a populist feel (people are rational!) and argument 2 has an elit

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    Itisango 2011/08/06
    経済学者と合理性