だいぶ前に頂戴して何度かTwitterで称賛したのでブログに書いた気になってました(笑)。今年読んだ経済書の中でも、ニーズィー&リスト『その問題、経済学で解決できます』やシーブライト『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』と並んで面白かった。世間の評判も高いようです。 本書は、雇用、都市、産業の三つの領域を結び付けて現代経済学の成果を十全に適用した著作です。イノベーション産業の雇用創出の乗数効果は大きく、またなぜか地域的に一極集中を生み出しやすい。では、なぜ一極集中が生み出されるのか。その都市、地域が持っている労働市場の厚みだ(集積効果)。教育水準の高い労働者が集まり、そこで知的なネットワークを構築していたり、一種の「文化的クラスター」を生み出している。その知的労働・文化的クラスターこそイノベーション産業の豊かな苗床である。しかしそのようなクラスターをどうすれば生み出せるか? 著者の解答