≪違憲判決で改正法案≫ だれに国籍を与えるか、だれを国民として認めるかは国にとって重大な問題である。だからこそ憲法10条は国権の最高機関である国会に広い裁量を認めている。国民は平等に扱わなければならないが、それは本来国民になってからの問題で、だれを国民と認めるかは立法の裁量であり、主権の問題である。 現在の国籍法の3条1項を最高裁は違憲とし、判決を受けて改正案が衆議院を通過し参議院で審議されている。現国籍法は、日本人の父が出生後認知した子(母親は外国人)は父母が結婚(準正)して初めて日本国籍を認め、単に父が認知しただけの場合は日本国籍を認めていない。判決はこれが憲法14条の平等の原則に違反するとした。さらに国籍法3条1項が「父母の婚姻」を要件としているところを無効とし、子に日本国籍を与えた。この判決は二重の意味で問題がある。 まず違憲とした理由である。規定ができた昭和59年からの我が国の家