先日、ばあちゃんが死んだ。両親の離婚後、7歳・5歳・3歳だった私たち姉妹をずっと育ててくれた。専業主婦だった母は苦労して職を探し、仕事を転々としていた。「あそこは母子家庭だから」と陰口を言われる時代だった。 いつもあたためてもらっていた気がする。同じ布団で寝ると、太ももに私の冷たいつま先をはさんだ。母とケンカした後、一緒に風呂に入ると「お母さんも大変なんだから、分かってやれ」と、何度も手でお湯をすくって肩にかけてくれた。涙とお湯が混じった。大人になっても、寒い夜は必ず湯たんぽを手渡された。 病院から自宅に戻って9日目、ばあちゃんは息を引き取った。ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパーの方々がいなかったら、家でのみとりは不可能だった。それなのに、介護をはじめとするケア労働の報酬や条件は、専門性や重要性に見合っていない。幼い者を育み、最期の尊厳を守る。人生の初めと終わりを支える「ケア」の重みを痛
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