中国の防空識別圏(ADIZ)問題が引き続きニュースを賑わせていますね。中国のADIZに入った日米の軍用機計12機を識別・確認し、中国空軍がSu-30MKK、J-11などをスクランブルさせたとか、させてないとかといった報道もあります。 昨日あたりから中国当局もさすがに少しずつトーンダウンし始め、各国のADIZの解釈に近い所に落ち着き始めていますね(Kinbricks Now)。初めは日本だけを脅すつもりであったのが、まさかここまで米国などが敏感に反応すると想定していなかったんじゃないかと思われる節があります。日本だけを相手にするなら、国際的な基準に則ったADIZ運用でなくとも押し切れますからね。ADIZ設定に伴って発表された「中華人民共和国東シナ海防空識別圏航空機識別規則公告」の第1、第3条は、日本を意識し過ぎたのかもしれません。 もちろん、それだけが理由ではなく、中国のADIZそのものに対
中国の防空識別圏は、日本や韓国、それに台湾の防空識別圏と比較すると、その特異さが目立ちます。 東シナ海の航空管制は、ICAO=国際民間航空機関のルールで、日本、韓国のインチョン、台北、中国の上海の各管制機関が空域を分担して行っています。 日本、韓国、それに台湾の防空識別圏はそれぞれの管制空域に沿う形で設定されています。 ところが中国の防空識別圏は担当エリアを大きくはみ出し、日本、台北、インチョンの管制空域に食い込んでいます。 また、フライトプラン=飛行計画書の扱いも異なります。 日本は通常の管制業務の中で国土交通省がフライトプランを受け付け、防衛省にも提供しています。 ところが中国は担当する上海だけでなく、新たに設定した防空識別圏と重なる日本、台北、インチョンの管制空域のフライトプランも、提出するよう求めています。 このほか日本の場合は領空に接近する航空機を対象にしていますが、中国は、防空
■【小ネタ】米軍機を「確認」、自衛隊機を「識別」=中国空軍スクランブルの微妙な違い■ F-15J / Nyuutabaru 2007 / woinary 中国空軍は2013年11月29日、東シナ海防空識別圏に進入した日米軍用機にスクランブルをかけたことを発表しました。 小野寺五典防衛相は30日朝、「中国側が発表したような、航空機が接近するとか特異的な状況はない」と発言しています(時事ドットコム)。また朝日新聞デジタルは「戦闘機パイロットの経験のある航空自衛隊幹部は「そのような話は初めて聞いた。中国がどういう理由で発表したのかわからないが、宣伝戦のような感じがする」と指摘」と報じるなど、スクランブルそのものが虚偽ではないかとの見方もあるようです(なお記事は改訂され該当のコメントは消えています)。 中国側が写真や資料を出していない以上、本当にスクランブルをかけたのかは不明なわけですが、この「虚
中国大陸初の空母「遼寧」が26日、訓練などのため南シナ海に向けて出航したことについて、国防部の羅紹和報道官(=写真)は28日、空母が台湾海峡を抜けていたことを確認した上で、「通過時、海峡の中間ラインは越えていない」と強調した。 羅報道官によると、「遼寧」と駆逐艦2隻、フリゲート艦2隻からなる空母艦隊は27日午前10時30分から台湾側の防空識別圏(ADIZ)に入り、28日午前4時頃にはそれを通り過ぎたが、この全過程で台湾海峡の中間ラインを越えておらず、ラインから西へ約14カイリ(26キロ)離れた海域を航行し続けたという。 空母「遼寧」が遠洋航行するのは、2012年9月の就役以来初めて。26日に中国大陸・山東省青島の母港を出港した当初は台湾海峡でなく、釣魚台(日本名:尖閣諸島)に近い宮古海峡を経由して南シナ海に入る可能性も指摘され、注目が集まっていた。
■日米軍用機が中国防空識別圏に進入、中国戦闘機は1日で9回ものスクランブル発進■ Lockheed P-3 Orion / aresauburn™ 29日、日米の戦闘機が中国の防空識別圏に計9回進入したと中国空軍が発表した。発表によると、ご丁寧にも9回全部にスクランブルをかけたらしい。威勢のいいことをいいながら他国に好き放題やられとるやんけ、と中国ネットユーザーに叩かれているなか、全力で仕事をしている姿勢を見せつけたということだろうか。 防空識別圏の問題については記事「国際的慣例とは違う、異常な“中国式防空識別圏”、ルール作りの大ポカは中国自身のマイナスに」にまとめたが、別に防空識別圏に他国の航空機が進入したからといって毎回スクランブルする義理はないし、ましてや報告する必要性もない。 それでもこの話題がホットなうちは毎回、「成果」を発表しなければならないという判断だろうか。中国空軍報道官が
[ローマ 5日 ロイター] – イタリア当局は5日、新型コロナウイルス感染の死者が過去24時間で41人増えて148人に達したと発表した。感染者も3858人と、前日の3089人から増加した。 1日当たりの死者・感染者数はともに、2週間前にイタリア北部で初の感染が確認されてから最多となる。 当局によると、致死率は3.8%と前日の3.5%から悪化した。 コンテ首相は記者会見で「一丸となる必要があり、さもなければこの危機を乗り越えることは難しい」と述べ、国民の結束を促した。 感染拡大が深刻な北部ロンバルディア州当局は、緊急以外では病院に行かないよう住民に呼び掛けた。 また、イタリアで14日に開催が予定されていたラグビー6カ国対抗のイタリア─英国戦の中止が決まった。 感染拡大ペースに衰えが見られない中、政府は新型ウイルス対策費を当初額から倍増すると発表した。保健サービスのほか、家計、企業などを支援す
ツイート 防空識別圏(ADIZ)について、いろいろな人の意見を聞いたり読んだりしていると、その中に「2013年5月に、日本が防空識別圏を中国から130kmにまで拡大している。だから、日本が先に挑発した。」というものを見かけます。 “東シナ海全域”で、中国大陸から約130kmの距離にまで拡大したと勘違いしている人もいるかもしれません。 すぐに、「ああ、与那国島のあの件かな」と気付く人も多いのですが、そこの所をツッコんで検証しているものを見かけないので、簡単にまとめてみました。 中国メディアの報道でも見かけます。間違っているものが多いです。 都市伝説的に広まっているのかもしれません。それを鵜呑みにしたまま輸入した人が、日本語でも拡散しているのでしょう。 たとえば11月29日付けの、中国の国営通信社である新華社の「防空識別圏」特集記事。 2013年5月、日本は防空識別圏を中国の方に拡張し、中国大
■「防空識別圏で他国機撃墜してもいいよね?」「ダメです」中国国防部定例記者会見の重要ポイントとネタを読む■ 2013年11月28日、中国国防部は11月の定例記者会見を開催しました。防空識別圏問題もあり、いつも以上に盛り上がる記者会見。重要なポイント、ネタ的発言が飛び交う見どころいっぱいの内容となりました。 ■「防空識別圏に他国の飛行機が入ってきたら撃墜できるんですよね?」 まずは重要なポイントから。記事「国際的慣例とは違う、異常な“中国式防空識別圏”、ルール作りの大ポカは中国自身のマイナスに」で説明しましたが、中国式防空識別圏は他国のそれとは異なり、「防空識別圏に入る場合には中国側に事前連絡し、指示に従う義務がある。服従しなければ武力によって対応することも」と、勝手に義務を課し、武力行使を示唆している点で異常です。 ところが国際社会の批判を受けるなか、中国当局は当初のトーンを一気にダウン。
法律上、民間航空機が中国に事前に通告する必要はないとみられるが、安全を期して通告した方がいいとの見方もある。 一方、日本航空と全日空は27日、識別圏内を通過する便について、中国が求める飛行計画は提出しないとの方針を示した。 8.そもそも尖閣諸島の問題とは何か 中国が主張する領有権は、尖閣諸島が漁民の拠点となっていた15世紀までさかのぼる。 しかし日本は、1885年の調査で中国の支配が及んでいる形跡が見当たらなかったとして、1895年に領土に編入。1932年に開拓者の親族に払い下げた。45年、敗戦とともに尖閣諸島も米占領軍の管轄下に入ったが、72年の沖縄返還にともなって日本に返された。 新華社通信によれば、日中両国は78年、尖閣問題の棚上げで合意したとされる。 日本政府が昨年、尖閣諸島の一部を地権者から買い取った後、中国で激しい反日デモが起きて緊張が高まった。 9.尖閣諸島の何がそれほど魅力
米国のADIZの解釈は中国と異なる。新華社通信によれば、中国はこの空域を単に通過する航空機と、中国領空に入ろうとする航空機を区別していない。 だが米国のケリー国務長官は23日、「米国は領空に入る意思のない外国機にADIZの規則を適用しない」と強調。中国のような立場には同意できないと明言した。米国にとって中国の防空識別圏は尖閣諸島を巡る問題にとどまらず、公空の飛行の自由にかかわる問題でもある。 6.中国の防空識別圏に他国はどう対処しているか 米国が中国のADIZに強い不快感を示した後、米軍機2機が中国に通告せずに圏内を飛行した。 激しい非難の応酬も続いている。米国が中国の動きを「誤解と誤算の危険性を高める」と批判したのに対し、中国側は「無責任な発言だ」と反発した。 新華社通信の論説では、日米がすでにADIZを設定しているのに中国に同じことをさせまいとするのは不当だとの主張が展開されている。
3.中国のADIZはどの島に影響するのか 中国国防省は新たな識別圏について、特定の国へ向けた措置ではないと説明した。発表された海図と座標によれば、尖閣諸島を含む東シナ海の上空に設定されている。 日本と中国はともに同諸島の領有を主張している。また中国の識別圏は、日本が1968年8月29日に設定した防空識別圏と一部重なる。中国海軍の関係者が新華社通信に語ったところによると、中国は日本の識別圏が違法だと主張している。 中国の識別圏には、中韓が管轄権を争う暗礁、中国名・蘇岩礁(韓国名・離於島)の上空も一部含まれる。同島には韓国が建設した海洋科学基地がある。 4.中国の近隣国はどんな反応を示しているか 日本は24日、中国の識別圏設定にはまったく効力がないとの立場を示した。外務省は「非常に危険な動き」と批判し、不測の事態を招く恐れがあるとの懸念を示した。 韓国国防省の報道官は、識別圏が設定されても離於
(CNN) 中国が東シナ海に「防空識別圏(ADIZ)」を設定したことにより、世界の3大経済国である米国、日本と同国の間で緊張が高まっている。空域の管轄だけでなく、島の領有も絡んだ複雑な問題だ。全体像を把握するためのポイントを整理する。 1.中国の「防空識別圏」とは何か 中国は11月23日、新たに設定した防空識別圏の海図と座標を発表。この空域を飛行する航空機が中国に通告すること、双方向の無線通信を維持すること、機体に国籍を明示することを求めた。国営新華社通信によれば、この規則は同日午前10時から施行された。 識別圏は沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む東シナ海上空の広い範囲に及ぶ。 航空機が識別に協力しなかったり指示に従わなかったりした場合、中国は「防御的な緊急措置」を取るとしている。 2.そもそも「防空識別圏(ADIZ)」とは何か ADIZ自体は新しい概念ではない。要するにそれぞれの国
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