医療現場の負荷軽減へ縮小運用を続ける感染者情報管理システム「HER-SYS」。実は、厚生労働省が約10年かけて開発を進めてきた別の感染把握システムがある。「症例情報迅速集積システム(FFHS)」と呼び、現場の負荷を極力抑えたものだ。だが厚労省はなぜかFFHSを採用せず、HER-SYSを急造する選択をした。累計50億円以上を投じたHER-SYSを含め、決定の経緯と結果の検証が必要だ。 新型コロナウイルス対策に活用する「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」がたび重なる運用見直しに追われている。その大きな要因の1つが、国が医療機関や保健所に求める入力事務の負荷の高さだ。 当初は患者の個人情報や症例に加え、濃厚接触の追跡に使う関連情報など約120項目の入力が必要で、1件に20~30分を要したという。医療現場から改善要望が強く、厚生労働省は2020年末に発生届と同
<無賃労働を強要し、貧しい学生の就職の可能性を閉ざす。アメリカの不公平な制度はなぜ改善されないのか> 限界が来たのは2016年の春だった。カルロス・マーク・ベラはワシントンで学ぶ多くの大学生と同じように、学業とアルバイトとインターンシップを掛け持ちしていた。全ては卒業後、政府機関で働くためだった。 米連邦議会と欧州議会でインターンを経験し、大学を卒業するときには修士号を同時に取得する見込みで、ホワイトハウスのインターンにも採用された。ベラの経歴は実に見事だが、1つ難点があった。インターンには給料が出ないのだ。 親が裕福ではないので、生活費は自分で稼がなければならない。かといって就職のことを考えれば、無給でもインターンシップをしないわけにはいかない。 さらにベラは米軍予備役の訓練も受けていたから、やらなければならないことは雪だるま式に増えた。学業を含めた拘束時間は週80時間を超えた。「常にあ
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