経営が成り立たないのは農協のせいだ。そう責任転嫁するのは容易い。では、農協のどこが悪いのか? そんな農協を必要としているのはいったい誰なんだ? 考えて見て欲しい。問題は、その存在ではない。悪要因の8割は我われ農家にあるのだ。 最近とかく、「農協のどこが悪いのか」という主旨の取材を受ける。農家からかんばしくない話が漏れ出ているせいであろう。 だが、答えは「何も悪くない」につきる。 農協の3事業である、経済(購買・販売)、信用(金融)、共済(保険)のどれをとっても、よくできている。一農家が複数のメーカーからいちいち、機械や資材を仕入れるのは大変だ。農協の購買事業は便利だし、共済事業も同業他社の保険商品と比べてメリットは大きい。農産物の販売手数料にしても、自分で営業、物流、決済をやることを考えれば、かなり割安だ。様々な手続き代行をしてくれたり、融資の相談が出来る信頼のおける事業者の存在は得難いも