『鴨川ホルモー』の万城目学さんの初エッセイ集。 小説を書き始めた頃の話、 学生時代や子供の頃の思い出話、 旅行記、ちょっと笑える妄想、 などなど内容は色々です。 『ザ・万歩計』は抱腹絶倒、という感じではないけれど 思わずふふっと笑ってしまう話が多くて 軽く、気持ちよく読める、という感想。 個人的に好きなのは「ニュー・ソング・パラダイス」。 人類の叡智を詰め込んだ大容量メモリーに 音楽を入れるとしたら、どの歌のどの部分を入れる? …なんておバカな妄想を真剣に考える万城目学さん、 想像すると笑ってしまうけど 自分ならどうするか、やっぱり真剣に考えてしまった。 モンゴルの遊牧民と暮らした体験記は 自然とともに生きることの大変さに言葉を失うけれど、 それすらなんだか面白おかしい。 笑えたかと思うと、祖父や飼い猫の思い出など 心がしんとするような、少し切ない話も。 万城目学さんは、日常に起こるささや
大学の教授の勧めに従い、期限付きで奈良の女子高の先生をすることになったのだが、そこで経験したことは摩訶不思議なことだった。人間の言葉をしゃべる鹿が現れたとき、そこからすべてが始まった・・・。 これほど面白さを徹底的に追求した作品は、ほかにはあまりないのではないだろうか。奈良の女子高で繰り広げられる物語。時には、はるか昔の神の話まで飛び出して、事態は思わぬ方向に・・・。よくぞここまで話を練ったと、ただただ感心するばかりである。奈良、京都、大阪の3校で争われる大和杯。そのなかの剣道の試合の描写は迫力があり、読んでいてハラハラさせられた。これで決着か!と思わせておいて、読者をあらぬ方向へ引っ張っていく作者。「えっ!?この先何があるの?」「これからどうなるの?」そう思いながらあっという間にラストへ。読後さわやか♪ 気分がスカッとする作品だった。
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