冬から続く新型コロナウイルスの感染拡大は、夏も衰えを見せる気配が感じられない。 政府や専門家は、新型コロナウイルスへの感染を予防するためには、密閉・密集・密接の「3密」を避けることが有効であるという。我が国では、4月7日に政府が「緊急事態宣言」を発令し、全国各地を結ぶ夜行高速バスは、「3密」になる危険性が高いこともあって運休が相次ぐようになった。緊急事態宣言が解除された現在も、一部では運行が再開されていない夜行高速バス路線もある。 一方で、現在では唯一の定期寝台夜行列車となった「サンライズ瀬戸・出雲」は緊急事態宣言期間中も運行を続けた。同列車は個室寝台が主体であり、新型コロナウイルス感染の可能性は低いと言える。コロナ禍における個室寝台列車の可能性について考えてみたい。 「密」を避けられる個室 筆者は4月中旬、3月のダイヤ改正でデビューしたばかりの特急「サフィール踊り子」に熱海から品川まで乗