自分が亡くなった後の遺品整理をどうするか――。故人の遺品整理や処分を行う遺品整理士への需要が高まる一方で、遺品整理にあたる親族や整理士に先駆けて故人宅に侵入して遺品を破壊する「遺品破壊士」への需要も高まっている。 「だって、あの世にはデータを持っていけないじゃないですか」 外資系企業に勤める軽須豪さん(仮名)には、妻と成人した2人の娘がいる。まもなく退職を迎える軽須さんは自分の死後に備えて、昨年から「終活」に取り掛かった。遺産相続などの身辺整理は問題なく進んでいるが、目下の悩みは個人パソコンに保存した「ちょっと人には言えない画像と動画」だ。名前を「新しいフォルダー」に偽装したフォルダーに保存されたデータ量は合わせて30テラバイトにのぼるという。 「死後、万が一誰かにあのフォルダーを開けられたら……と想像するだけで夜も眠れません」 良き夫、良き父としての役割を長年果たしてきただけに軽須さんの