民間人の登場人物が戦火に巻き込まれ、容赦なく死んでいく−。一九七九年に始まったテレビアニメ「機動戦士ガンダム」は戦争の描写にリアリズムを持ち込んだ。社会現象になった作品の生みの親は、原作や総監督などの富野由悠季(よしゆき)(78)とキャラクターデザインの安彦(やすひこ)良和(72)。終戦七十五年の節目、ガンダム世代に深い影響を与える二人のクリエーターが「戦争」を語った。 (聞き手・原田晋也)
新型コロナウイルスで収入が半減した個人事業主や中小企業への持続化給付金を、関東地方の大学生のグループが不正受給していた疑いがあることが、関係者への取材で分かった。迅速な支給のため手続きが簡素化されている点につけ込んだとみられる。友人の誘いで不正受給に加担した大学生は警察の摘発を恐れ、被害弁済の手続きを始めたという。(井上真典、藤川大樹)
政府の観光支援策「Go To トラベル」事業で、観光庁は5日、事業に参加する宿泊施設で新型コロナウイルスの感染者がどれくらい発生しているかの情報を公表しない方針を示した。同日開かれた国会の野党ヒアリングで明らかにした。 観光庁幹部は理由について、ホテルで感染したのか、別の場所で感染したのかなど線引きが難しく「公表することで風評被害が広がる恐れもある」と説明した。野党側は地域別ではなく全国での数字で構わないと譲歩したが、観光庁側は応じない方針だ。 そもそも観光庁は感染状況をつかみ切れていない。前日のヒアリングでは、「Go To」に参加する長野県のホテルが従業員の感染を公表したのに観光庁が把握できていなかったことが発覚。観光庁は情報把握が遅れていることを認めた上で、感染情報を集約する厚生労働省から情報提供を受ける仕組みづくりを始めたと弁明した。
タイの民主活動家の男性が亡命先のカンボジア・プノンペンで何者かに拉致され消息を絶ったとして、国際人権団体が真相究明を訴えている。タイでは2014年の軍事クーデター以降、近隣のラオスやベトナムに逃れた人のうち少なくとも8人が同様に失踪。一部は遺体で発見されたという。両政府の関係当局は調査の姿勢は示しているが、動きは鈍い。 (バンコク支局・岩崎健太朗、写真も) 「う、息ができない」 6月4日夕、ワンチャラーム・サタシットさん(37)は買い物に出たアパート前の路上で、バンコクに住む姉のシタナンさん(47)と電話中にうめき声を残し、会話が途絶えた。何らかの事故に遭ったと思ったシタナンさんは、すぐに弟の友人に連絡した。友人は20分後、「落ち着いて。弟は拉致された」と知らせてきた。目撃者や防犯カメラ映像から、武装した数人の男に車で連れ去られたとわかった。 タイの民主化を求める活動家のワンチャラームさん
英国で新型コロナウイルスが広がった1~3月の間、中国などアジア系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)が例年の3倍だったことが英スカイニュースの調べで分かった。新型コロナへの不満と不安のはけ口として暴行や暴言を受け、自宅から出られないアジア系住民も少なくないという。(ロンドン・沢田千秋) 大学生のマイケル・チューさん(22)は二月、英中部シェフィールドで交通トラブルの後、若い男に暴言を吐かれ、車にリンゴを数個投げ付けられた。買い物の最中に年配者から「ウイルスを持ってるだろう」と言われたことも。「北アイルランドで生まれ、両親は中華料理弁当店で懸命に働いてきた。ウイルスが怖いのは分かるが、肌の色だけで標的にするのは公平じゃない」と訴える。 十七歳から英国で暮らす中国系の作家ベラ・チョクさん(43)は三月、ロンドンの公園で、アフリカ系女性から「あなたに関わりたくない」と叫ばれた。チョクさんはショック
政府が四月に取りまとめる新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急経済対策の大枠が二十五日、判明した。柱となる現金給付は新型コロナの影響で収入が減少した世帯を対象にする。売り上げが落ち込んだ企業や個人事業主に対する特別融資枠も拡大。決定済みの対策と合わせ、事業費の総額は国内総生産(GDP)の約一割に相当する五十六兆円を上回り、財政支出は十五兆円を超える見通しだ。 現金給付は新型コロナウイルスの影響で生計の維持が難しくなった世帯に最大二十万円を貸し付ける制度の仕組みを活用し、返済を不要とする。市区町村の社会福祉協議会で申し込みを受け付ける。金額を詰めた上で五月中の給付を目指す。政府は今月二十七日に二〇二〇年度予算が成立次第、二〇年度第一次補正予算の編成に入り、四月十日前後に閣議決定する。
NHKがテレビ番組をインターネットで常時同時配信することを認める改正放送法が成立した。NHKは来年3月までの開始に向け準備を急ぐ考えだが、背景には若年層を中心としたテレビ離れと、ネットを通じた動画配信の急速な普及がある。視聴者の利便性は増す一方で、民放からはNHKのさらなる肥大化を懸念する声が強い。受信料制度の在り方が変わっていく可能性もある。 (原田晋也) 同時配信はこれまで、災害報道や大型スポーツ中継などに限って認められていたが、法改正により放映中の地上波総合とEテレの全番組が、パソコンやスマートフォンなどで見られるようになる。 近年、若い世代はネットの利用時間がテレビの視聴時間を上回っており、ネットフリックスなど海外の動画配信サービスの展開が拍車をかける。来年には高速で大容量の次世代通信規格「5G」の本格的運用が始まり、動画配信の加速はさらに進むとみられる。こうした状況で「公共放送」
厚生労働省は十一日、紹介状なしで大きな病院を受診した患者に、初診で五千円以上の追加負担を求める制度を巡り、二〇二〇年度から対象を現在のベッド数「四百床以上」から「二百床以上」の病院に拡大すると決めた。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で同日、了承された。対象病院は、現在の全国四百二十から約六百七十に増える。 大病院は専門的な医療を担い、それ以外は地域の診療所などが担当するといった役割分担を進める狙い。厚労省は軽い症状の患者には、まずは身近なかかりつけ医に診てもらいたい考えだ。 紹介状なしの患者に対する追加負担の対象拡大は来年四月から。二百床以上の病院でも患者から原則一~三割の窓口負担に加え、初診料とは別に初診の際には五千円以上を徴収することが義務化される。再診では二千五百円以上となる。診療所などで紹介状の費用七百五十円(自己負担三割の場合)を支払えば、大病院で追加負担はかからない。
コミックマーケット準備会とコミック文化研究会(代表・杉山あかし九州大准教授)がC88でコミックマーケットが四十周年を迎えたのを記念して実施した。同人誌などを頒布するサークル参加者約三万九千人、一般参加者六百二十七人から回答を得た。回答者の平均年齢は、区分ごとに最も低い男性のサークル参加者が三一・九歳、最も高い女性の一般参加者が三六・三歳だった。 質問で、前年の一四年十二月に行われた衆院選で投票したか否かを尋ねたところ、サークル、一般参加者とも八割以上の人が「投票した」と回答。同選挙では小選挙区の投票率が52・66%で戦後最低。中でも三十代の投票率は42・09%とさらに低かったのと比べ、極めて高かった。
一日召集の臨時国会では、重い障害のある舩後靖彦さん(61)らの初登院を、障害のある人々も傍聴席から見守った。車いすの傍聴者らは、国会から始まろうとしているバリアフリー議論を歓迎した。 (原尚子) 参院本会議を傍聴に訪れたのは、DPI(障害者インターナショナル)日本会議(東京都千代田区)事務局長で電動車いすを使用している佐藤聡さん(52)ら三人。佐藤さんは「新しい時代が始まった」と喜んだ。 参院が議員活動中の介助費用を当面一部負担すると決めたことなどを受け「車いすの人が議員になったことで、これまで全く話題にならなかった制度の問題が議論されるようになった。社会の注目も集まり、今日はお祭りのような感じ。今後もっといろんな制度が生まれてほしい」と期待した。
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