2015/9/18 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済・社会政策部主任研究員の片岡剛士が、日本の「失われた20年」についてその歴史をひも解きながら考察する。日本の長期停滞をもたらした原因はどこにあるのか。5週連続全5回。 デフレ下の景気拡大とリーマン・ショック、デフレと円高の持続 今回は、長期の景気回復の過程と悪化の過程(2001~12年まで)を見ていきたいと思います。 さて2001年4月には「構造改革なくして景気回復なし」を掲げて国民の熱狂的な支持を受けた小泉政権が誕生しました。小泉政権では、不良債権処理、規制緩和、民営化、公共支出の削減が経済政策の基本方針として打ち出されます。 当初は不良債権処理の促進や査定の厳格化が重視されて、2002年10月には「金融再生プログラム」が策定されました。しかし、本格的な再生には景気回復が必要であったといえます。 2002年1月から日本経済は緩