2015年9月から、東京都の各家庭に1冊ずつ配布された「東京防災」。実際にご覧になった方も多いだろう。今回は、「東京防災」プロジェクトのクリエーティブ施策全体のプロデュース・クリエーティブディレクションと、冊子部分の編集を統括した電通第3CRプランニング局(電通コミニケーションプランニングセンター)のデザイン・ストラテジスト榊良祐氏に話を聞いた。 ■本を配って終わりのプロジェクトではない。そこから防災力を上げていく −−まず、東京防災のプロジェクトにはどのような形で携われたのですか? 榊:デザイン・ストラテジストとして、企画、構成からデザインの細部まで全体に携わってきました。防災は、極めて重要な情報で正しく届ける必要があるものですが、これまで国や自治体から送られてくるものは、デザインに気を使われていなかったり、内容が硬過ぎたりで情報がきちんと届いていたとはいえません。そこで、今回のプロジェ