研究対象であっても実用には程遠い――。「超電導モーター」と聞いて、そう考える技術者は少なくないだろう。しかし、既存の超電導関連技術を使っても実用化の目標は2030年。もはや遠い未来の話ではない。航空機業界が桁違いに高いエネルギー密度に着目し、日米欧で開発が進む。冷凍機を含めたエネルギー効率も高く、電気自動車や鉄道、船舶への応用も視野に入る。 「航空機業界は、2050年のCO2排出量を2005年比で半減する必要に迫られている。一方で航空機需要は2050年までに倍増するとの予測がある。1機当たりのCO2排出量を少なくとも1/4に削減しなければならない。推力源は超電導モーターしかない」。このように言うのは九州大学 大学院システム情報科学研究院 電気システム工学部門 教授の岩熊成卓氏だ。 岩熊氏は、九州大学が2019年4月に組成した「先進電気推進飛行体研究センター」のセンター長を務める。同大学が蓄
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