あなたが感じている中年の生きづらさは、たった数百円の化粧水によって解消されるかもしれない――高殿円『父と息子のスキンケア』プロローグ 洗顔フォームを使う日本人男性は5割、化粧水にいたってはわずか2割。「男が肌を気にするなんて恥ずかしい」、そんな”スキンケア後進国”で、夫を変えたのは高校生の息子だった――。 作家の高殿円さんが大手化粧品会社や美容クリニック、社会学者に徹底取材し、男性スキンケアをめぐる「潤い格差」の実態とその解決策を考える『父と息子のスキンケア』(ハヤカワ新書、2025年6月18日発売)。この記事では刊行に先立ち「プロローグ」を公開します! 『父と息子のスキンケア』(高殿円、ハヤカワ新書)プロローグ とある日の洗面所 ある日のことだった。何の変哲もないごくふつうの月半ばの休日だったと記憶している。 その日私はパーソナルジムに行き、帰りにちょっとばかりおいしいものが食べたくなっ
