(本記事は映画『落下の解剖学』のネタバレを含みます)*1 www.youtube.com ときどき奇妙なカットが挟まりますね。 「母親の裁判をもっと見たい」と裁判官に翌日の傍聴を訴える少年を左下から見上げてみたり、自宅近くの小高い丘から現場検証を見下ろす主人公の視点でズームしてみたり、終盤の中華料理屋でそれまで店内に据えられていたカメラが突然ワンカットだけガラス越しに人物を映したり。 有名作家である女性、その夫が不審死を遂げ、殺害容疑が作家にかかる、果たして真相は? といった、ひとやまいくらのRASHOMONスタイルのプロットは、さして重要でもないといえるし、同時に大変重要であるともいえます。 たしかにその物語のためにある語りの仕方ではあるからです。 『落下の解剖学』は、謎に対してさまざまな角度から視線を浴びせる映画です。 謎はもちろん人間の数だけある。夫の死はジャンル的な意味でもミステリ
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