「装甲悪鬼村正」 /ニトロプラス これはネタバレに配慮した感想ではない ネタバレを恐れる者は無用である 鬼に逢うては鬼を斬る。仏に逢うては仏を斬る。善悪相殺、愛憎相殺の掟――ニトロプラス10周年記念を飾るソフト『装甲悪鬼村正』はニトロの処女作である『ファントム』の頃からグラフィックを担当してきた古参・なまにくATK(あったかい)が原画家を務め、また2005年の『刃鳴散らす』でニトロ史上最低とも噂される売上を叩き出した奈良原一鉄がふたたび筆を執り、入魂の面持ちでシナリオ・ライティングを仕りました。いくら何でも冒険が過ぎる布陣と申しますか、「10周年」を賭けるに面子にしては博打感が強い選択としか目に映りませんが、死亡フラグも何のその、とにかくニトロはやり遂げた。ライナーノーツによれば製作開始は2006年、実に3年の時を要してつくり上げた大作ソフトである。 当初は『村正(仮)』という暫定的な呼称