設立から25年、地域密着を理念に歩んできたJリーグが、数年前から東南アジアを中心とした海外展開に積極的に乗り出していることをご存知だろうか。ASEAN出身の選手がJリーグで活躍し、すでに経済効果も生まれている。こうした「アジア戦略」の狙いや取り組みについて、株式会社Jリーグマーケティング 海外事業部の大矢丈之氏に話を伺った。 Jリーグの「アジア戦略」とは 「アジアに目を付け始めたのは2011年ごろです。東日本大震災があって来場者数が大きく落ち込み、このままではJリーグの成長戦略を描きづらいと危機感を抱くなか、考えたのがマーケットをアジア全体に拡大することでした」(大矢氏) もともとアジア戦略を構想したのは前任の山下氏である。タイに赴いた山下氏は、想像以上のサッカー人気を肌で感じた。さらに、アジアでは政界や経済界の大物がサッカーに携わっていること、彼らが日本サッカーを尊敬の眼差しで見ているこ