現在の日本の擬似的二大政党制の下では、マスコミが風を吹かせた方が国政選挙に勝利する。その勝利は常に一方の側の圧勝の結果となり、決して僅差の接戦劇にはならない。マスコミが吹かす風は、投票日の一ヶ月前頃から始まり、次第に風速が強まり、善玉と悪玉の配役を固め、公示日から投票日にかけて暴風雨となって、その選挙を完全に「お祭り選挙」に変えてしまう。二年前の郵政民営化選挙がそうだったし、今回の年金未記録選挙も同じ現象の再現となった。そして最近の選挙では所謂アナウンス効果が機能しない。アナウンス効果が機能するためには、マスコミの情勢報道に対して反発して動く有力な組織体が全国津々浦々に必要だが、そうした逆バネの物理的組織力が、民主党には最初から存在せず、自民党もこの十年間にボロボロに壊されてしまった。 自民党候補者を支える地域の後援会組織、それは候補者の当選によって齎される経済的果実(パイ)を分け合う利害