良く取材でお気に入りの書籍は?という質問がある。その中で必ずあげるのが「ザ・ブランド 世紀を越えた起業家たちのブランド戦略」タイトルを見るとB to B的な堅苦しい印象があるが、実に読みやすく感動的な人間ドラマだ。 この書籍で取り上げられた6人の筋金入りのアントレプレナーが創り上げたブランドは、英国陶器「ウェッジウッド」、加工食品「ハインツ」、百貨店「マーシャルフィールズ」、美容「エスティ・ローダー」、コーヒーチェーン「スターバックス」、そしてコンピューター「デル」。「スターバックス」を除く5社は創業者の名を社名とし、卓越したブランド戦略によって世界的地位を築き上げた企業だ。 どれも素晴らしい話だが、特に「ハインツ」の創業者が記憶に残る。1876年にアメリカ合衆国で創業した世界流通・販売量世界第1位のトマトケチャップで有名なあの巨大企業。ヘンリー・ジョン・ハインツが台所でトマトの水煮を作り