「ご希望のチケットを、お取りすることが出来ませんでした」 きっかけはコンサートチケットの落選だった。会えると思っていた生のジャニーズアイドルに会えないことが分かって傷心した心の隙間と、行く予定で捻出していた時間とお金という物理的なものの隙間に、私たちは「街コン」という現場を入れ込むことにした。 以前からジャニーズを好きだと言うと彼らを恋愛対象として見ているのだろうと安易な発想で周りに誤解されることが多く、そうじゃないんだと否定しようにも事実上恋人がいないことにはその否定にはあまり説得力がなかった。ジャニーズと現実の恋愛を並列に並べて語ることは、食べ物と動物を同じ土俵にあげて「カレーライスと犬、どっちが好き?」という質問に答えるくらい性質の違うものを並べているような気もするし、でもその一方で私という人間から作り出される「好き」という感情の中では限りなく近い性質を持ち合わせているような気もして