タグ

ブックマーク / shionandshieun.hatenablog.com (5)

  • 日本人よりも働かなければいけない - 私のエッジから観ている風景

    私の母方の祖父は忠清南道の田舎の生まれだった。周りには山と痩せた田畑しかなかったそうだ。私が韓国留学をしていたとき、祖父の出身地を訪ねたのだが今でも山と田畑しかないような場所で、思わず、祖父がこの土地を出るのも当然だと思ってしまった。 かつての韓国は長男以外の男子は働き手としてしか見なされなかったため、彼は満足に教育を受けることができず、小作農だった実家の手伝いをしていたという。 韓国独特の家父長制と貧しい境遇から抜け出したいと思った祖父は故郷を捨てて、戦争が始まる前に単身、日へ渡った。 彼は当初、関西地方に居たらしいが、やがて、関東に流れ着いた。そこで警察官と組んで米を安く仕入れ、故郷で憶えた濁酒造りの技術でヤミ酒を作り、様々な人に売った。彼の作ったヤミ酒はその土地で一番、美味しかったと私は聴いている。 祖父はその金を元手にして様々な商売を始めた。彼の口癖は「日人よりも働かなければい

    日本人よりも働かなければいけない - 私のエッジから観ている風景
    NAPORIN
    NAPORIN 2018/07/24
    “『彼らにとって僕は勝てばドイツ人、負ければ移民なのだ』”
  • 「誰がスパイなんだ」と馬鹿が言う - 私のエッジから観ている風景

    父と母が若い頃の話だ。 初めて、父が結婚前、初めて祖母に挨拶をした帰り、深刻な顔をしてこんなことを言ったらしい。 「お前の母さん、韓国のスパイじゃないだろうな。」 祖母はあの時代、大学を卒業したインテリで、韓国で学校の先生をしていた。 母を育てるために日にやってきたのだが、父からしたらスパイだとしか思えなかったらしい。 母は父の言葉を聴いて、「この人、馬鹿なんじゃないか。」と思ったそうだ。 もちろん、父の言っていることはただの思い違いだ。全く根拠がない。 一方、祖母は祖母で父の済州島出身者という経歴を気にしていた。 以前も書いたが、済州島は韓国に反乱を起こした島だと考えられていたからだ。 もしかしたら、祖母は私が済州島出身者になってしまうことも心配していたかもしれない。 何せ、北朝鮮のスパイだと思われてしまうかもしれないから。 これがスパイを日常の中で感じる瞬間だ。 私は日で生まれ、日

    「誰がスパイなんだ」と馬鹿が言う - 私のエッジから観ている風景
    NAPORIN
    NAPORIN 2018/02/12
  • 私も難民になっていたかもしれない。 - 私のエッジから観ている風景

    ここ数日、群馬県で遺跡巡りの旅をしていた。 古代の群馬では、朝鮮半島から来た人々が、数多く、住んでいたらしく、朝鮮半島の古代文化が色濃く残っている古代遺跡がたくさんあった。 私が生まれる、はるか昔のことだけれど、この時代から人と人の動きから作られる文化歴史があったことに、私は感動した。 そんな時、私は麻生太郎副総理の言葉を知った。 麻生副総理は講演会の中で、朝鮮半島で有事が起きた際に、大量の難民が日に押し寄せる可能性に触れながら、「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか。真剣に考えなければならない」と発言した。 この発言に抗議する言葉がネット上だけではなく、あらゆる場面で出てきた。 麻生副総理の言葉に対しては、もちろん、反対だ。だが、麻生副総理に対して、賛成している人たちの言葉や反対している人たちの言葉を観ていると、ある「出来事」がぽっかりと忘れられて

    私も難民になっていたかもしれない。 - 私のエッジから観ている風景
  • 君たちは『火山島』を読んだのか? - 私のエッジから観ている風景

    今、芥川賞選考委員で作家の宮輝氏の芥川賞選評が話題になっている。 宮氏は芥川賞候補作で、温又柔さんの作品である『真ん中の子供たち』に対して、このような選評をした。 「これは当事者たちには深刻なアイデンティティと向き合うテーマかもしれないが、日人の読み手にとっては対岸の火事であって、同調しにくい。なるほど、そういう問題も起こるのであろうという程度で、他人事を延々と読まされて退屈だった」 (宮輝・芥川賞選評『文藝春秋』2017年9月号)。 宮氏の選評を読む限りだと、如何にも「在日文学」を他人事としてしか考えていないようにも見える。 このような「在日文学」への態度は、今に始まったことなのだろうか。 この問題を問う前に、日語とはどういう言語なのか、ということを説明しなければならない。 今では、日語の使い手と言えば、所謂、「日民族」か、「外国人の日語学習者」だと思われている。 だが

    君たちは『火山島』を読んだのか? - 私のエッジから観ている風景
    NAPORIN
    NAPORIN 2017/08/18
    “日本語だからこそできる文学とは何だろう?(中略)金石範さんのように政治的に、もしくは社会的に声を出しにくい人たちに救いをもたらすための文学という一面があるのではないか。”
  • 拝啓 デマサイトを管理していた人へ - 私のエッジから観ている風景

    はじめまして。私は貴方と同じ年の25歳の在日コリアンで、名前はSHIONと申します。貴方がこんなブログを読むかどうか分かりませんが、今回、私のブログ上で手紙を書かせて頂きました。当は私の実際に書いた字で、私の名と住所をしっかりと明記した上で貴方に手紙を書きたいと思ったのですが、それはインターネットの特性上できないということでとても残念です。 貴方がインターネット雑誌でインタビューを受けている記事を拝読させて頂きました。『大韓民国民間報道』というブログを立ち上げた経緯、ブログの中で問題になった記事はフェイクニュースであったこと、短期的にお金を稼ぎたいという目的があったこと、ニュースサイトの真似事をする方法、告訴されにくいということや記事のPV数を稼ぎやすいという理由だけでヘイトスピーチをまねくような記事を書いていたこと、様々な理由と手法でブログを執筆していらっしゃったのですね。私は貴方の

    拝啓 デマサイトを管理していた人へ - 私のエッジから観ている風景
  • 1