作られた物語の呪いは解け、本当の物語が語られ始めたというべきなのかもしれません。 現代音楽における不協和音やノイズの氾濫とは異なる、重厚で劇的な構成と、旋律に溢れた交響曲を聴きたい、演奏したいという欲望は、音楽関係者のなかではそれほど珍しいものではなかった。そしてその欲望はある程度まで、正当化しうるものだった。 聴くことの困難をめぐって - ゲンロンスタッフブログ クラシック業界にある問題のひとつとして、能力のある作曲家は(多くの)演奏家が演奏したくなるような曲、聴衆が聴きたいような曲を書こうとしない、というのがある。 ~中略~ 往年のクラシック作品みたいに聴いていて素直に心の動くような書法の音楽は、たとえば映画やアニメ、ゲームのBGMとして「発注」されない限り、なかなか生まれない。 新垣氏のような作曲技術に長けた人が自発的にあのようなタイプの作品を書くことは不可能だった。 ~中略~ しか