小さいころから女の子の友だちと遊び、ままごとやお絵描きをするのが好きな子どもだった。そんな息子の豪志(たけし)さん(26)を見て、母親の下里倫子(りんこ)さん(61)=南風原町=は「『この子の心は女の子なんだ』と2、3歳の頃から分かっていた」と振り返る。結婚5年目にできた一人っ子。「心身共に健康であることだけでもありがたい」と感謝の気持ちの方が強かった。 りゅうちぇる、素顔を“封印”した中学時代 悩みを乗り越えた転機は? 3、4歳のころ、子どもが被害に遭う犯罪が相次いだ。豪志さんの心が「女の子」であることをなかなか受け入れられない夫に対し「もし事件や事故でたーけー(豪志さん)が亡くなったら、自分自身精いっぱいかわいがってあげたと言える?たーけーの泣き顔と笑顔どっちが見たい?」と問い掛けた。それをきっかけに、夫は受け入れるようになっていった。 小学4年生の時から、スカートをはくようになった。