ブックマーク / d.hatena.ne.jp/semi_colon (14)

  • 3万年前のDNAから抗生物質耐性遺伝子が見つかる - 蝉コロン

    科学, ゲノムSuperbugs Predate Wonder Drugs - ScienceNOW細菌「持ってたわー。その抗生物質への耐性3万年前から持ってたわー」面白いかと思ったセリフ改変が書いてみるとやたら説明的でがっかりした。ええと、言うまでもなく抗生物質は細菌感染の治療に多大な貢献をしているわけですが、一方で耐性菌の出現も問題になっております。今回の論文はそういう薬剤耐性菌が三万年前にすでにそこら辺にいた可能性を示しています。 http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature10388.html "Antibiotic resistance is ancient" Nature, Published online 31 August 2011僕的には最近お気に入り*1のメタゲノム解析。カナダのユーコン準州

  • タラゲノム、もし抗体が無かっタラ。 - 蝉コロン

    ゲノム, 動物タラゲノムが解読された。ハーイ!いまどきゲノム読んだだけでトップジャーナルに載るなんておかしいですぅ〜というセリフが聞こえた気がしたが、一応なんか面白い知見が得られたようだよ。タラは日以外でも北半球の国々でよく卓に乗る魚だそうです。今回のゲノム解明が水産業的に意義があるのか、あるいは生物学全般で面白い事実が得られたのか、論文のウケが大きく変わってきますね。 The genome sequence of Atlantic cod reveals a unique immune system : Nature : Nature Publishing Group読んだのはタイセイヨウマダラのゲノムだそうで、万華鏡写輪眼とか使いそう。ところで今Google日本語入力が「タイセイヨウマダライルカ」をサジェストしてきてそういうのもあるのかと思った。 独自の免疫システムを進化させタラさ

  • 光で遺伝子のスイッチをオンオフ - 蝉コロン

    科学A Synthetic Optogenetic Transcription Device Enhances Blood-Glucose Homeostasis in Mice これまでにも薬剤を使った遺伝子発現スイッチシステムはあったのだけれども、それを光の照射でやろうという話。オプトジェネティクス(光遺伝学)という最近急成長中の技術だとか。 オプトジェネティクス――それは、光学と遺伝学を組み合わせた、まったく新しい格闘技である。うおおおおおおおおぉぉぉーーーーーーっ! メラノプシンという光感受性タンパク質がある。7回膜貫通型のGタンパク質共役受容体。これは体内時計の研究でも重要なんだけど、今回はツールとして使います。 論文では、ブルーライトをあてるとGLP-1が発現するという細胞を作っている。GLP-1はインクレチンとして知られる消化管ホルモンで2型糖尿病の治療薬としても使われる。

  • 「フハハハハ、継続こそパワー!」 - 蝉コロン

    ぼやぼやって悪役のセリフにあったらいいよね。 いつもご愛読くださいましてありがとうございます。初めての人は初めまして。当ブログを始めて昨日で丸1年経ちました。「蝉コロン」というタイトルを思いついただけで、何の計画も無く始めた当ブログですが(前にも言ったなこれ)、意外にコンスタントに更新しつつ一周年を迎えられ、嬉しく思う次第です。 記事を書いた日数が172日だそうで二日に一回ってとこですね。ブクマいただいた総数は右上の表示によるとちょうど昨日5000を越えました。いつもありがとうございます。セルフブクマの数もずいぶん寄与しているので自分にもありがとうございますと言いたいです。 最初の頃を見返してみると昨年12月中旬にスタートして3,4個のつぶやきみたいなエントリ上げた後、1月7日から突然現在の科学、動物好きがテーマのブログになってます。最初のネタであるウイルスの話題にはてブがたくさんついて「

    Nathea
    Nathea 2010/12/18
    一周年おめでとうございます
  • で、結局ヒトゲノムに遺伝子はいくつあるの? - 蝉コロン

    科学, ゲノムThe Great Beyond: My genome has how many genes? 10年前の最初のゲノム解読のニュースの記憶から、ずっと3万だと思っていたのだけれど、実はもっと少ないようで。 1964年は6,700,000個と見積もられていた。多すぎ。まだイントロンの存在も知られてなかった頃で、細胞あたりのDNA量から計算したのかな。1990年代にはゲノムプロジェクトが始まり、遺伝子地図だとかESTデータベースだとかが整備されてきた頃は5万〜10万の幅でいろいろ言われていた。2001年最初のゲノムのドラフトシークエンスができたころは3〜4万だとかになった。確か当時「思ってたよりずっと少なかった!」と驚かれてた。そしてそれから10年でrefineされて現時点で最も正確な見積は22,333個だって(NCBIのRefSeqより)。ずいぶん減ったなー。10年前のドラフト

  • うつ病モデルマウスと遺伝子治療 - 蝉コロン

    科学, 医療Reversal of Depressed Behaviors in Mice by p11 Gene Therapy in the Nucleus Accumbens ? Sci TM うつマウスの遺伝子治療をしている論文。じゃあこの方法で人間のうつも治療しましょうというのではなくて、メカニズムの一端が解明されたという感じなのだけれど。一応掲載誌であるScience Translational Medicineは基礎研究の知見を医療現場へ応用することを目指すトランスレーショナルリサーチ(「橋渡し研究」とも言われる)の雑誌です。 うつのメカニズムは分かっていないことが多いけれど、神経伝達物質セロトニンのシグナル伝達が重要であると考えられていて、実際多くの抗うつ剤がセロトニンの濃度上昇に作用するものです。一方で、このセロトニンのシグナルを受けるにはセロトニンレセプターが細胞の表面

  • ハネジネズミかわいい - 蝉コロン

    動物英語ではelephant shrewといってゾウトガリネズミとなるんだけど、実際のとこトガリネズミとは系統は遠いらしい。なので誤解を避けるために詮議した結果、sengiとも呼ばれる。ネズミの仲間ではなくて、ハネジネズミ目(長脚目)ハネジネズミ科で独立している*1。アフリカ獣上目というのに属している。アフリカ獣上目にはゾウもいるので、ゾウの祖先もこんな感じだったのではないか!!!と思いたいけれどさすがにちょっと離れすぎているようですね。岩狸の方がゾウに近い。岩狸? 最近新種が発見されたらしく、記事を書こうと調べてたら、ケニアで新種の大型ハネジネズミ発見? (ナショナルジオグラフィック 公式日語サイト) - Yahoo!ニュースに詳報が出ていたので、僕からは特に何もありません。。。ただただハネジネズミの鼻を愛でるのみです。 Giant elephant shrew

    Nathea
    Nathea 2010/10/01
    鼻かわいい…
  • バナナにHIV予防成分 - 蝉コロン

    科学, ウイルスミシガン大学医学部の研究グループ。内科と生化学の講座ですねえ。JBC論文A Lectin Isolated from Bananas Is a Potent Inhibitor of HIV Replication ? JBC Faculty of 1000でもrecommendされてます。Faculty of 1000 Biology | A lectin isolated from bananas is a potent inhibitor of HIV replication. 題に入る前にHIVの感染メカニズムについておさらい。免疫不全症候群の原因たるHIVが標的とするのは免疫に重要なCD4陽性T細胞、CD4という蛋白質を表面に発現しているT細胞です。CD4陽性T細胞は司令塔みたいなもんでB細胞やキラーT細胞が実働部隊。HIVはgp120というタンパク質でこのCD

  • マウスの表情から痛がりぶりを読み取る - 蝉コロン

    Access : Coding of facial expressions of pain in the laboratory mouse : Nature Methods 以前にマウスの尾静脈注射をする必要ができた。静注は基といえば基だけど習熟にはそれなりの練習が求められる技術で、学部時代に実習でやった時はまるっきり失敗だった。そんでまあtips的なのもいろいろ存在してて、そのひとつとして血管を見やすくするためにネズミのしっぽをお湯につけて怒張させたりする方法がある。このときお湯が50℃(テキストによっては55℃)を超えてるとネズミがやけどします、という注意書きもあった*1。それでぼやぼやとネズミにとってのいい湯加減ってどの辺だろうなあと夢の世界に旅立ったりしたものだ。ソロモンの指輪があれば「熱くない?」とか聞けるのに。「お風呂入る?」「いんや、入らない」 さてNature Meth

  • 飛べないオウム、カカポ - 蝉コロン

    動物かわいい。この鳥、全然知らなかったんだけど、wikipedia:フクロウオウムがやたら充実してます。それによると、フクロウオウムもしくは現地のマオリ語でカカポ。ニュージーランドの夜行性のオウム。世界で唯一飛べないオウム。最もでかくてデブいオウム。他の地域においてのウサギの位置に入り込めて、飛ぶのやめたんじゃないかという話。レックという繁殖様式:オスがゆっくりと、「レック」という競技場に集まり、互いに、メスを魅了し、つがいになるべく競い合うのである。メスは「レック」に現れると、オス達の「ディスプレイ」を観察する。メスたちはオスのディスプレイのできばえに基づき、つがいになるオスを選ぶのである。すなわち、メスたちは他の普通の鳥のように、オス達によって個別に追い駆けられることはない。つがいになるためだけに、オス達とメス達が「レック」で出会うのである。ふしぎ!飛ぶのを忘れたどころか、飛ぶのを忘れ

    Nathea
    Nathea 2010/03/07
    かわいいなぁ。何してるんだろう?
  • 危険な食べ物トップ10 - 蝉コロン

    生活Hot Dogs - Top 10 Most Dangerous Foods - TIMEから。アメリカ小児科学会が危険なべ物トップ10を発表。ホットドッグなんでだよと思ったら、10歳以下の子どものべ物による窒息死の17%がホットドッグなんだって。形状が悪いとか。こんにゃくゼリーと同様にパンでだって窒息死の危険があるというのは、少し前にも話題になった。日常に潜む危険。普通のべ物にも気をつけよう。 フグ毒でおなじみフグです。テトロドトキシン。たしかに危険だけども子どもにべさせる機会があるのだろうか。アメリカ小児科学会としてこのランキングをどういうつもりで作っているんだろ。元記事では、日人は10,000トン消費しているよと書いてある。 Ackeeなんだよ、アキーって。西アフリカ原産で、ジャマイカでよくべられる果物だそうです。ヒポグリシンという毒素。熟していないのをべるといけな

    Nathea
    Nathea 2010/02/25
    日本だと…はちみつ銀杏ジャガイモ青梅とか入るかな?事故件数が基準なら入らないか
  • 酵母のプリオン良いプリオン - 蝉コロン

    科学以前、プリオンについてのエントリを書いたところ、「用語を正確に使って欲しい」という旨のコメントをいただいた。「プリオン」とはタンパク質性の感染因子で、何らかの原因で生じた異常型の"ホニャララ"タンパク質が正常型を次々と異常型へ転換していって増殖する。"ホニャララ"は何であっても構わない。「ウイルス」って言ったらそれがインフルエンザウイルスだったりHIVだったりするように。哺乳類の場合「プリオン」と言えば感染性を持つPrPSc、「プリオンタンパク質」ならば、PrPの正常型(細胞型)であるPrPCあるいは異常型のPrPScということになる。以前のエントリではあんまりこの辺を区別して書けていなかった。 さて、実は酵母(出芽酵母)にもプリオンがある。哺乳類PrPとは縁もゆかりもないタンパク質だけれども、プリオン様の振る舞いを示す。そのひとつがSup35というタンパク質*1。通常は翻訳終結因子と

  • 新型インフルエンザにあんまりひどいめにあわずに済んだ理由 - 蝉コロン

    季節性インフルエンザ。毎年流行る、ヒトの免疫をくぐり抜けられる抗原性が変化したウイルスが選択され続ける。新型インフルエンザ。ブタからでてきたばっかりの新人。ヒトの免疫からの攻撃を初めて受ける。 ウイルスv.s.免疫機構は、ウイルス表面の抗原を認識できる抗体があるかないかの勝負になる。ウイルスは自分の情報を書き換え続け、免疫はウイルス情報をアップデートし続ける。 今回の新型インフルエンザはH1N1。これまでH1N1で流行したのはスペインかぜとソ連かぜ。スペインかぜは1918-1919年だが、ウイルス自体は1957年くらいまであった*1。今はもういない。ソ連型ウイルスは1977年に出現して現在まで季節性として流行。今でもいる。 H1N1についてヒト集団の持っている抗原情報は50年前のスペインかぜウイルスのと、30年前から現在まで繰り返しアップデートされているソ連型ウイルスの。ヒトは感染して免疫

    Nathea
    Nathea 2010/02/09
    わかりやすい。/結果論で「やりすぎ」と言われるのはなんか理不尽。
  • 良いプリオン - 蝉コロン

    科学ひょっとしてこのブログを読んでくださるような人は、どこかのニュースサイトでもう十分見ている話かもしれませんが、日語の記事があんまりなかったので書いてみます。 Axonal prion protein is required for peripheral myelin maintenance : Article : Nature Neuroscience BSEやヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病なんかのプリオン病は、異常型プリオンタンパク質が脳内に蓄積することによって引き起こされます。異常型プリオンは、我々が普通に持っている正常型プリオンをオセロをひっくり返すみたいにパタパタと異常型にしていって増殖します。さて、異常型プリオンは基的によそからやってくる病原体なのでひとまず今回は置いといて、正常型プリオンは普段何をしているのでしょうか。 正常型プリオンはパッと見、無くなっても困らなそう

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