補償なき臨時休館で失われる鑑賞機会。現場からは「大変厳しい」新型コロナウイルスのパンデミック以降、3度目となる緊急事態宣言が東京を含む4都府県に発出された。これを受け、臨時休館の措置を取っているミュージアムの現場からは悲嘆の声が聞こえてきた。 文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 失われた鑑賞の機会 4月25日に東京、京都、大阪、兵庫に発出された3度目となる緊急事態宣言。これを受け、各都府県では多くの美術館・博物館が臨時休館に入った。 >>まとめ:3度目の緊急事態宣言による美術館・博物館休館情報 今回の緊急事態宣言で、東京都の小池知事は「人流の抑制」や「日中を含む不要不急の外出自粛」を呼びかける。昨年4月の状況を思い起こさせる状況だ。 当時は日本全国の美術館・博物館が閉鎖され、「文化の灯火」が消えた。美術館は作品や文化財を守るため、温湿度を一定に保てる強力な空調装置を24時間稼働させ