※我々が持っている歴史知識は、テレビや映画から得たものも多い。しかし、そこで伝えられている歴史は、本当に正しいのだろうか? 時代劇の歴史考証が専門の山田順子氏に話を聞いた。 ──「時代考証」って、具体的にはどういう形で作品作りにかかわるんですか? 山田 基本的には、台本が上がってきたときに、セリフや事実関係がおかしくないかをまずチェックします。セットや小道具など美術発注の相談を受けるのも、この段階ですね。時代劇に慣れていない俳優さんがいらっしゃるようだったら、私はリハーサルで、座り方、歩き方、お辞儀の仕方なども指導します。スタジオでは、美術が指導した通りになっているかをチェック。放送時にテロップが入る場合は、編集に立ち会うこともあります。ここまで現場に顔を出す考証家は珍しいかもしれません。私はもともとテレビ畑の人間なので、現場が好きなんです。 ──そうはいっても、エンターテインメント性や制