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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (22)

  • 男性が孤独に陥りがちな理由について──『男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償』 - 基本読書

    男はなぜ孤独死するのか 作者:トーマス・ジョイナー晶文社Amazonこの『男はなぜ孤独死するのか』は主に男性の孤独に焦点をあて、なぜ男性は孤独に陥りがちなのか。そして、(人が望まぬ)孤独をどう解消すればよいのかについて書かれた一冊である。「孤独死」というと日では一般的に「一人暮らしの人が誰にも看取られずに死ぬこと」を指すが、書の原題は『Lonely at the Top』で、あくまでも孤独それ自体がテーマであり、孤独死がテーマになっているわけではない。孤独死が良い/悪いという話はないし、家で一人で死ぬことに関する言及もない。 なぜ「男性の孤独」に注目する必要があるのか さて、ではなぜ「男性の孤独」に注目する必要があるのか。孤独に陥るのは何も男性だけの特権ではないのだから、女性も男性もひっくるめて論じればいいではないかと思うかもしれないが、これにはいくつかの理由が存在している。たとえば

    男性が孤独に陥りがちな理由について──『男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2024/06/07
    孤独は「自由の代償」なので。「人間関係のメンテナンス」とは、悪く言えば「しがらみを増やす」こと。
  • 経済から文化まで、未来を知るにはまず人口に注目すべし──『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』 - 基本読書

    人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題 作者:ポール・モーランドNHK出版Amazon未来に何が起こるのか予測するのは簡単なことではないが、人口は比較的確度の高い予測が可能な分野である。日の人口が突然倍増することはありえないし仮に数々の施策を打ったり移民受け入れが進んだとしても、増える人口はわずかでしかない(からシミュレーションしやすい)。さらに、人口は国家のあらゆる側面に関わってくるから、「未来を語りたい」のならばまずは各国と世界の「人口」に注目すべきだ。 というわけで書『人口は未来を語る』は、人口学者のポール・モーランドによる「人口統計を使って未来を考えてみよう」という一冊である。たとえば世界人口はいつ頃減少をはじめるのか、またそうなった時各国の経済はどうなっているのか。人口が減少し高齢化が進んでいく国と紛争・革命の関係、人口はまだしばらくは増えていくと思われ

    経済から文化まで、未来を知るにはまず人口に注目すべし──『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2024/05/05
    人口維持に価値観(≒社会的圧力)が重要であろうという話は、ダニエル・ギルバート『明日の幸せを科学する』にも書いてあった。
  • 「正常な忘却」は決して悪いことではない──『忘却の効用: 「忘れること」で脳は何を得るのか』 - 基本読書

    忘却の効用: 「忘れること」で脳は何を得るのか 作者:スコット・A・スモール白揚社Amazon的に記憶力が良いことはこの社会を生き延びていくにあたって「良い」ことだとされている。記憶力を高めたいと思わない人がいるだろうか? 認知症でもないのに忘れっぽかったり覚えが悪かったりすると、心配されることもあるだろう。しかし、「忘却する」ことは脳にあらかじめ用意されている、とても有益な機能でもある。 書『忘却の効用』はコロンビア大学の神経精神科学教授であるスコット・モールが、忘却の利点について解説した一冊だ。記憶力が良い人、何もかも忘れない人(時折、そういう人がいるのだ)にも良い点はあるが、そうであるがゆえのデメリットも存在する。僕も人に呆れられるほど忘れっぽい方で、もう少し記憶力がよければなあと思う局面も多い(たとえばトークイベントで昔読んだの話をしようとしても全然内容を思い出せないと

    「正常な忘却」は決して悪いことではない──『忘却の効用: 「忘れること」で脳は何を得るのか』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2024/05/05
    関係ない自分語りだが、小学生のころ、違う通学路を通るのが嫌だった(道路の反対側ですら)。根拠なく「罰される」と思っていた。初めての場所(商業店舗でも)に行くと、「やましいこと」をしてる気持ち今でもなる。
  • 意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』 - 基本読書

    カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン 作者:アンバー・ケース(Amber Case)発売日: 2020/07/14メディア: 単行現在、生活していく上で身の回りには欠かせない電子機器・パソコン・スマホアプリケーションで溢れている。web会議をするためにはDiscord、zoomといったツールが、チャットツールとしてはSlackがあり、パソコン外の家にも大量の電子機器が存在している。さらには、洗濯機や冷蔵庫、時計に掃除機などあらゆるものがインターネットに繋がって、そのすべてが我々に何らかの情報を伝えたがっている。 数が多いので、我々はそのすべてを注視しているわけにはいかない。そいつらが何かを知らせたい時に全員がピーヒャラピーヒャラ大きな音を立てたらこちらもブチ切れざるを得ないだろう。機械には限界がないかもしれないが、人間の注意力には限界があるからだ。では、どうすればいいの

    意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』 - 基本読書
  • 生き残る判断 生き残れない行動 - 基本読書

    テロや地震などの災害等、人の生死がかかった瞬間に、生き残れる人達はどんな能力を持っていて、生き残れなかった人は「何故」生き残ることができなかったのかを多くの被災者、テロ被害者へのインタビューを通じて考えていく一冊。生の体験者たちの声はナマナマしく、生き残る為には読むといいと思う。「自分には関係ない」と思っていることこそが、「生き残れない判断」へと繋がる最初の一歩なのだから。 災害の最中に真っ先に起こること、それはまずもって「パニック」であろうと考えるところだけれども実際それは正しくない、と著者は言う。9・11、飛行機が突っ込んだ世界貿易センターの中で、最初に人々が取った行動は何よりもまず「落ち着いていて行動していた」のだという。冷静に、自分達の荷物をかき集め、何が起こったのだろうと話し合い、避難を始めたり始めなかったりした。 そして何より、起こった事を否認していた。これが大多数の人に起こる

    生き残る判断 生き残れない行動 - 基本読書
  • なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書

    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行この『ブルシット・ジョブ』は、文化人類学者であるデヴィッド・グレーバーによる「クソどうでもいい仕事」についての理論である。「クソどうでもいい仕事」とはなにかといえば、文字通りとしかいいようがないのだけれども、「その仕事に従事している人がいなくなっても誰も何も困らないような無意味な仕事」のことである。 原書で刊行された時から日でも大変に話題になっていた一冊で、楽しみに読み始めたのだけど、これがとにかくおもしろい! 確かに世の中にはブルシット・ジョブとしか言いようがないくだらない仕事が溢れているように見える。それがどれほどありふれているのか、またどのようなタイプのブルシット・ジョブが存在するのか。また、仮にこれが近年さらに増大を続けているとしたら、それはなぜなのか。そ

    なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2020/08/10
    「また、自動化は特定の作業をより効率的にするが、同時に別の作業の効率を下げ、コンピュータが認識できるような形式へ転換するために必要な膨大な人間労働がブルシット・ジョブに繋がりやすいことなど」
  • 未来を考えるうえでもっとも重要な「世界人口の減少」というテーマ──『2050年 世界人口大減少』 - 基本読書

    2050年 世界人口大減少 作者:ダリル・ブリッカー,ジョン・イビットソン発売日: 2020/02/24メディア: 単行数十年後の世界人口がどうなっているのかというのは、最重要のトピックだ。何しろ、環境問題の悪化も、経済の状況も、文化も、都市化も、今世界で問題になっているすべてのことが人口に関係しているからだ。極端な話世界人口が10億人しかいないのであれば、少なくとも炭素排出量で大慌てする必要などまったくないのである。 そして、日を見てもらえればわかるように、今どんどん出生率は下がり、結果的に人口の数は長期に渡って下がり続けていくと予測されている。この流れは日だけでなく、中国でも韓国でも、東欧でもまったくかわらない。アフリカなど依然として出生率が高い国があるおかげで世界人口自体はまだ伸びているが、これが永遠に伸び続けていくと予測しする人はどこにもいない。だから、「世界人口が減少に向か

    未来を考えるうえでもっとも重要な「世界人口の減少」というテーマ──『2050年 世界人口大減少』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2020/03/12
    「もはや子供を持つことは社会や神に対する義務ではなく、単純にどこで暮らすとか、どこに旅行をするかのような「自己実現」のための要素と同じになってしまっている」
  • 政策立案は生物学の一分野である──『社会はどう進化するのか:進化生物学が拓く新しい世界観』 - 基本読書

    社会はどう進化するのか——進化生物学が拓く新しい世界観 作者:デイヴィッド・スローン・ウィルソン出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2020/01/24メディア: 単行人間個人も、人間社会も、進化による大きな影響を受けている。ゆえに、現代の諸問題を解決し、政策を立案するにあたっては進化論を前提とした確かな知識が必要とされる。単純化してしまえば、それがこの『社会はどう進化するのか』の主張である。 進化の仕組みが我々を現状の機能と特徴を持つ個体にしたのはそうだろうけど、現代の問題を解決するためにその知識が必要だというのはなんか違くない? と思うかもしれない。が、実はそこには深い繋がりがあり、進化論を無視して問題を解決しようとしてもうまくいかないのだ──ということが一冊かけて訴えかけられていくのだ。 書の課題は、政策立案が生物学の一分野であることを示す点にある。政策の標準的な定義は、「政府

    政策立案は生物学の一分野である──『社会はどう進化するのか:進化生物学が拓く新しい世界観』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2020/02/08
    「もっとも繁殖率が高いわけだから、その血筋だけを残したら卵がウハウハになりそうなものだが、実際にはメンドリが産む卵の数は少なくなっていった。それは単純に檻に入ったメンドリが殺し合っていたから」
  • デジタルデバイスで読むことで「深い読み」は損なわれるのか?──『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』 - 基本読書

    デジタルで読む脳 X 紙ので読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる 作者:メアリアン・ウルフ出版社/メーカー: インターシフト (合同出版)発売日: 2020/02/06メディア: 単行文字を読む時、その時脳の中では何が起こっているのか。また、文字を読み込んでいくことで、脳はどのように変化していくのかといった読むこと✕脳科学について書かれた『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?』のメアリアン・ウルフの新作にして続編になる。テーマは書名にも入っているように「デジタル」だ。 デジタル──パソコンやスマホの画面で読むことは、紙ので文字を読むこととどのような違いがあるのか。注意力が欠けてしまうのか、はたまた増すのか? また、幼少期からデジタルで読むことに慣れていると脳はどのように変化するのか? 今幼少期の子どもを抱えている親の多くは「子どもにスマホやタブレットを

    デジタルデバイスで読むことで「深い読み」は損なわれるのか?──『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2020/02/08
    「子どもからデバイスをとりあげると、「退屈だ」と答える。が、子ども時代の退屈は必須な要素でもある。退屈だからこそ、自分なりの気晴らしや単純な楽しみを作り出す原動力になるのだ」
  • 脳科学・神経科学的な観点からの専門的な記述に支えられた「発想法」──『柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳』 - 基本読書

    柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳 作者: レナード・ムロディナウ,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/05/10メディア: 単行この商品を含むブログを見る変化のはやい時代、これまでになかった新しいアイデアを生み出す必要性が増している今、型にはまった考え方から抜け出し、柔軟な思考をするためにはどうしたらいいのか。レナード・ムロディナウによる『柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳』は、そんな「柔軟な思考」が、解剖学的・神経科学的にどのような状態なのか、またどうすればそうした状態を維持できるのか──について書かれた一冊である。 僕は型にはまった考え方から抜け出したいと思うことがあまりない生活をおくっているのでそこまで興味のあるテーマではないのだけれども、著者のファンであり(他の著作は『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』や『たまたま―日常に潜む「偶然」

    脳科学・神経科学的な観点からの専門的な記述に支えられた「発想法」──『柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳』 - 基本読書
  • 科学的で現代的な「人を動かす」──『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』 - 基本読書

    事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学 作者: ターリシャーロット,上原直子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/08/11メディア: 単行この商品を含むブログを見る事実では人の行動は変わらないという。議論をしたときに「これこれこういう事実がある」という主張をしても相手の意見が変えられなかった、ということは多かれ少なかれみな体験しているものではないだろうか。たとえば、アメリカではワクチンを摂取することで知的障害などが発生するリスクがあるというデマが拡散して、そのせいで百日咳やおたふく風邪が今更蔓延するというアホくさい状況が発生している。 ワクチンによって知的障害リスクが上がるのは完全にデマなので、科学的な事実の啓蒙を行えばいいでしょ、と思うかもしれないが、実はこれには全然効果がないのである。ある実験では反ワクチン思想を持つ親を集め、麻疹にかかった子どもの痛まし

    科学的で現代的な「人を動かす」──『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2019/10/13
    デール・カーネギーの「人を動かす」をもっとも上手く応用したのは、チャールズ・マンソンだとか。
  • 頭がおかしくなるほどおもしろかった──《アイアマンガー》三部作 - 基本読書

    堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行この商品を含むブログ (17件) を見るエドワード・ケアリー《アイアマンガー》三部作が先日発売の『肺都』によって完結したが、これが当に凄い物語だった。奇しくも『肺都』が昨年最後に読了したとなったけれども、そんなことは無関係に問答無用で『肺都』が17年のベストだ。それどころか《アイアマンガー三部作》は、人生においてこれ程の熱量の物語にあと何度出会えるのだろうか……と考え込まずにはいられない、破壊的な小説作品なのだ。 人間を突き動かさずにはいられない特異なリズムがこの物語全体を貫いている。劇作家でもある著者による台詞、会話劇は一つ一つの発言が声の大きさ、息の吐く音まで聞こえてきそうな(凄まじい翻訳の力もあるの

    頭がおかしくなるほどおもしろかった──《アイアマンガー》三部作 - 基本読書
  • 史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - 基本読書

    最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜 作者: マイケル・ウィットワー,加藤諒,柳田真坂樹,桂令夫出版社/メーカー: ボーンデジタル発売日: 2016/06/30メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons&Dragons:D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。 ゲイリー・ガイギャ

    史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/11/01
    「余談だが読んでいて笑った話を一つ。娘が彼氏を作ると、ゲイリーはその彼氏をRPGに誘う。娘が彼氏と別れてもゲイリーはその元彼とRPGを続けるので、娘は元彼と家でしょっちゅう出くわすはめに」
  • ゲームと共に歩んだ人生録『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』 - 基本読書

    ゲームライフ 作者: マイケル・W・クルーン,武藤陽生出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/10/19メディア: 単行この商品を含むブログを見る人生を振り返ってみると、いつもその傍らにはゲームがあった。 プレイヤーの目の前に展開するゲームプログラムは誰にとっても同じものだが、ゲームがもたらす最終生産物は、プレイヤー各々にとって異なる「固有の体験」だ。 AIが複雑に絡むガンパレード・マーチ。現代のオープンワールドゲームには「プレイヤー毎の一回性」が存在するし、まるでクリア出来なかったマリオがクリアできた快感、学校終わりにみんなで集まってやったポケモン、スマッシュブラザーズ、ギルドを組んで毎週毎週ワチャワチャと城攻めをしたラグナロクオンラインの思い出……などなど、ゲームのドラマは人生と密接に結びついている。いやあ当に楽しかった。 ゲームはやりすぎると現実を侵してくる。4つ同じ

    ゲームと共に歩んだ人生録『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/11/01
    「ほんの少しのあいだ、あなたは不死身になれる」
  • 俺は人生を選ばないことを選ぶ"道の続く限り歩み続けろ"──『トレインスポッティング』 - 基本読書

    トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) 作者: アーヴィン・ウェルシュ,池田真紀子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/08/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るスコットランドのエディンバラを舞台とし、ジャンキーにHIVまみれ、失業保険を5つも6つも受給しながら働くなんてくだらねえぜとうそぶきながらセックスとドラッグと暴力に明け暮れる若者の姿を偶像劇に仕立てあげたのがアーヴィン・ウェルシュによる書『トレインスポッティング』だ。はじめて書が発表されたのは1993年だが、舞台の年代自体は1980年代の後半に設定されている。 あまりにとりとめがない物語だ。『俺は人生を選ばないことを選ぶ』とは書で中心人物として描かれていくマーク・レントンが吐いた心中の台詞ではあるが、まさに彼は複雑怪奇なまやかしの論理をでっち上げる社会に、働かなくとも失業保険を不当に受給する

    俺は人生を選ばないことを選ぶ"道の続く限り歩み続けろ"──『トレインスポッティング』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/09/28
    「ヘロインをやってると、ヘロインを手に入れることだけ心配してればいい。ところがヘロインをやめると、山ほど心配事ができる(…)どれもこれも、ヘロインをやってるときはどうでもよかったことばっか 」
  • 人類社会と昆虫の多様な関係──『昆虫の哲学』 - 基本読書

    昆虫の哲学 作者: ジャン=マルク・ドルーアン,辻由美出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/05/21メディア: 単行この商品を含むブログ (6件) を見る昆虫の哲学と言われてもいったいなんの事なのかよくわからないが、著者によれば次のように説明される。『「昆虫の哲学」とは、さまざまな昆虫の哲学ではない。それは、私たちが当たり前のように口にする、「法の哲学」、「芸術の哲学」、「科学の哲学」、「自然の哲学」などと同じ意味での「昆虫の哲学」なのだ。』 そう言われてもよくわからんなあと思いながら読み進めていったのだが、分類学、社会学などなど、人類史における昆虫の扱われ方について幅広く問いなおしていく内容で、哲学といえば哲学だし、広義の昆虫エッセイともいえるだろう。たとえば昆虫やダニやクモ類の命が、哺乳類に比べると軽くみなされるのはなぜか? という問いかけも、あらためて問いかけなおして

    人類社会と昆虫の多様な関係──『昆虫の哲学』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/09/27
    「「まあ別に脚がもげようが残酷に殺されていようが別にいいか」と」
  • 文体、プロット、トピック、全てを解析する──『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』 - 基本読書

    ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム 作者: ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ,西内啓,川添節子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2017/03/23メディア: 単行この商品を含むブログを見る書は「ベストセラー小説に普遍的な法則は存在するのか?」という問いかけを、独自の判定モデルをつくりあげ検証した著者らによる一冊である。小説がヒットするかどうかは時の運という人も多いし、実際運が関与しない事象などこの世に存在しない以上それは正しい部分はある。そうなってくると次に出てくる問いかけは、運の割合はいったいどの程度のものか? というものだ。書はそれを解析してみせる。 手法のひとつを簡単に説明すれば、まず小説の特徴を抽出するアルゴリズムを用いて評価したいの各特徴を分類/定量化する。その後、ベストセラーと非ベストセラーを大量に読み込ませ、機械学習

    文体、プロット、トピック、全てを解析する──『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』 - 基本読書
  • 時をかけてセックス──『時間線をのぼろう』 - 基本読書

    時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫) 作者: ロバート・シルヴァーバーグ,伊藤典夫出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/06/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見る書はロバート・シルヴァーバーグによる、かつて邦訳された時*1は星雲賞も受賞した作品の新訳版になる。ロバート・シルヴァーバーグというと、海外SF作家としては有名だが、日では80年代なかば以降翻訳も減り、その作品を読む機会もあまり多くはない。僕もいくつかは読んだことがあると思うがとんと記憶になく、話題にも最近はめったに上がらないから、「まあ、名前は知っている」という作家である。 何故今回また作品が新訳されることになったのかよくわからないが(もちろんいいことだけど)、読んでみればこれが非常におもしろい。タイムトラベルが実用化された世界で、いかにしてタイム・パラドックスを回避するのか、あるいはタイム・パラ

    時をかけてセックス──『時間線をのぼろう』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/09/26
    「ただし、やたらと自身の先祖とセックスしたがる男たち、自分自身の先祖を殺し壮大な自殺を決行しようとするアホ、とキャラクタは愉快なアホ揃い」
  • バウドリーノ by ウンベルト・エーコ - 基本読書

    エーコによる歴史小説。皇帝フリードリヒ二世の養子として数多の冒険に出かけ持ち前の嘘をもっともらしく語る能力によって自分たちの都合のいい事象を現実と混同させてきた男が最後に語る人生録が、この『バウドリーノ』というになる。バウドリーノは歳をとり死期もさしせまったあたりで、元宮廷弁論家にして帝国裁判長官、判事、ビザンツ皇帝の書記長を歴任したニケタス・コニアテスに向かってその人生を語っていく。ちなみに解説によるとこのニケタス君は実在の歴史家のようだ。 『バウドリーノ』はだいたい1155年から1294年の第四回十字軍によるコンスタンティノープルの奪還までのおよそ半世紀の時代を扱っている。物語はバウドリーノが1204年のコンスタンティノープルの略奪の際に、先ほど述べたニケタス君と出会うところからはじまる。バウドリーノはニケタスと出会った時、今日私は人を殺したという。相手は彼の養父であり、皇帝であるフ

    バウドリーノ by ウンベルト・エーコ - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/09/25
    「バウドリーノはかなりイカれたヤツで、養父である皇帝の妻に思いをよせるあまり、留学先で勝手に文通している想定で熱烈な愛のメッセージの返信を一人で書き、その返信を一人で書き」
  • 狂気を分類する──『シリアルキラーズ -プロファイリングがあきらかにする異常殺人者たちの真実-』 - 基本読書

    シリアルキラーズ -プロファイリングがあきらかにする異常殺人者たちの真実- 作者: ピーター・ヴロンスキー,松田和也出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/10/23メディア: 単行この商品を含むブログを見る世界で一番有名なシリアルキラーといえば「切り裂きジャック」になるだろうが、彼以後も世界にはたくさんの「もっとすごい」シリアルキラー達が現れてきた。 シリアルキラーっていったって、日だとこの100年間で10例に満たないので「たまにそういうことをする狂人がいるみたいだなあ」ぐらいの捉え方をしている人が多いかもしれない(というか僕がそうだが)。実際にその物の考え方や捉え方は一般的なものとはかけ離れていることが多いが、しかしそこには狂人なりの理屈が通っており、一定の傾向と分類が可能なようである。FBIは捜査をする為にそうしたプロファイリングデータを収集するし、心理学の研究者は純粋に研

    狂気を分類する──『シリアルキラーズ -プロファイリングがあきらかにする異常殺人者たちの真実-』 - 基本読書
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/09/25
    「女シリアルキラーの動機は単発殺人鬼や、男のシリアルキラーの動機とすらもかなり異なる」「少なくとも部分的には個人的な経済的利得を動機としている。その中産階級敵野心の悲しい反映である」/ボヴァリー夫人