『授業づくりネットワーク』一九九八年十二月号 環境教育の現在 「サイクル図」と「EM」 藤川大祐 1 「ジレンマ」としての環境問題 6年ほど前、私は「たまごの会環境教育プロジェクト」の一員として、「フロンガスのジレンマ」(『環境教育授業記録集1』学事出版、一九九二年)、「リサイクル社会の虚構」(『環境教育授業記録集2』学事出版、一九九二年)といった、環境教育の授業づくりに関わった。 これらの授業について、私たちは次のように述べていた(「環境教育のめざすべきもの」『環境教育授業記録集1』)。 ┌───────────────────┐ │「環境問題はジレンマなのだ」という認識を│ │子どもが持つこと、これが環境教育の目的で│ │あると我々は主張したい。 │ └───────────────────┘ 「ジレンマ」とは、二つの選択肢のどちらをとっても困った状態になるよう