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ブックマーク / takekuma.cocolog-nifty.com (34)

  • ハマの蛙男祭り・ご報告: たけくまメモ

    ←レオナルド博士の等身大ぬいぐるみ 先週土曜日に横浜みなとみらい・ブリリアショートショートシアターで開催された、「ハマの蛙男祭り」にトークイベントのゲストとして出演しました。蛙男商会デビュー五周年記念イベントの一環でして、「ええ?もう五年経ったの?」と驚きました。俺はほぼデビュー時から蛙男さんとお付き合いさせていただいていましたので、当にあっという間でした。この「たけくまメモ」もこの12月に五周年ですから、蛙男さんのキャリアと「たけくまメモ」は、半年くらい向こうがお兄さんですけど、同い年というわけです。 ←会場のFROGMANファンのみなさん。女性が多い! この五年の間、蛙男さんはネットからテレビに進出し、DVDを多数リリースし、劇場アニメを5も公開させ、海外にも進出しているわけです。「たけくまメモ」は、相変わらず個人ブログのままですので、蛙男さんの活躍には目を見張るばかりです。会場は

  • 「ヱヴァ」は品川駅を出発しました(ネタバレなし): たけくまメモ

    昨日見てきましたよ「ヱヴァ」。最初は南町田にある109グランベリーモールで12時20分の回を見て、それから渋谷で用事を済ませて、帰りに歌舞伎町の新宿ミラノでもう一回見ました。グランベリーモールは八分程度の入りで少し心配しましたが、新宿ミラノは夜の回も超満員で、どちらの映画館でも終了時に拍手が出ました。グランベリーモールでは終わって駅に向かう途中で多摩美の教え子に出くわしたんですが、「先生、ヱヴァどうでしたか」と訊かれたものですから、 「旧作とは全然違う。確かに大筋は一緒だし『エヴァ』には違いないが、もう別作品と言っていい。前回の『序』であえてテレビ版の序盤そのままをなぞって見せたのは、これをやるための前振りだということがよくわかった。確かにこういう“リメイク”は見たことがない。テレビ版や旧劇場版も傑作だったけれども、今度の『ヱヴァ』がもしこのテンションのまま完結するようなら、おそらく50年

  • 「担当がつきました」とはどういうことか: たけくまメモ

    多摩美や精華大で日々、マンガ家志望の学生と接していますと、中には新人賞に応募して、佳作や奨励賞に入賞した人がいるわけです。おめでとうございます。出版社主催の新人賞に入選すると、多くは担当編集者がつくわけですね。これは佳作や奨励賞のような次点の賞であっても、同様ではないかと思います。 それで、奨励賞を受賞して、俺に「先生、僕に○○社の担当がついたんですよ」と嬉しそうに報告してくる人もいます。その顔は、嬉しそうなだけでなく、誇らしげだったりもするんですが、そういう学生に会うたびに「ちょっと待て」と俺は思うわけです。 「ちょっと待って。その担当さんと、作品を掲載する話をしているの?」 と俺が尋ねると、 「いえ、ネームを持って行くと、見てくれます。雑誌に載る話は、まだありません」 と、だいたい同じ返事が返ってきます。 先日、精華大で学部長の竹宮惠子先生と話したときも、そういう学生の話題になりました

  • 京都は燃えているか?・完結編: たけくまメモ

    「ファミ通のアレ(仮題)」カテゴリの記事 『ファミ通のアレ(仮題)・京都編』を掲載開始(2009.05.16) 京都は燃えているか?・前編(2009.05.17) 京都は燃えているか?・中編(2009.05.18) 京都は燃えているか?・完結編(2009.05.20) 京都は燃えているか?・後編(2009.05.19)

  • 京都は燃えているか?・後編: たけくまメモ

    「ファミ通のアレ(仮題)」カテゴリの記事 『ファミ通のアレ(仮題)・京都編』を掲載開始(2009.05.16) 京都は燃えているか?・前編(2009.05.17) 京都は燃えているか?・中編(2009.05.18) 京都は燃えているか?・完結編(2009.05.20) 京都は燃えているか?・後編(2009.05.19)

  • 京都は燃えているか?・中編: たけくまメモ

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  • 京都は燃えているか?・前編: たけくまメモ

    「ファミ通のアレ(仮題)」カテゴリの記事 『ファミ通のアレ(仮題)・京都編』を掲載開始(2009.05.16) 京都は燃えているか?・前編(2009.05.17) 京都は燃えているか?・中編(2009.05.18) 京都は燃えているか?・完結編(2009.05.20) 京都は燃えているか?・後編(2009.05.19)

  • マンガとアニメーションの間に(2-3): たけくまメモ

    ■京都精華大学特別講義テキスト ●マンガとアニメーションの間に(2-3) 第二回「ウォルト・ディズニーをどうとらえるべきか」(3) ●講師・竹熊健太郎 ●実写的演出 リアリズムは演出にも及んでいる。もっとも顕著な例は作品の序盤、女王の命令で猟師が白雪姫を殺そうとする場面である。美しい風景の中で、姫が小鳥と会話している。その背後から迫る猟師。恐ろしい形相がアップになる。ついでナイフを握る手のアップ。その手がぶるぶると震えて、ナイフが落ちる。猟師の心の葛藤が観客に伝わる見事なモンタージュである。あまりにも純真無垢なヒロインを前にして、彼は殺意を失い、その足下にひざまずく。この演出は極めて実写的で、アニメでは冒険であったが、成功している。 つづく「森の中の逃走」は作品全体でもっとも見事なシーンだ。ただひとり暗い森を逃げる白雪姫。彼女は恐怖でわれを失い、周囲のあらゆるものが怪物に見える。実際、それ

  • マンガとアニメーションの間に(2-2): たけくまメモ

    ■京都精華大学特別講義テキスト ●マンガとアニメーションの間に(2-2) 第二回「ウォルト・ディズニーをどうとらえるべきか」(2) ●講師・竹熊健太郎 ●キャラクターとは何か キャラクターとは字義通りに解釈するなら「人物の性格」の意であるが、アニメーションやマンガの世界でこの言葉が使われる場合、背景から独立して行動する「主体」そのものを指す。この場合の「主体」は人間とは限らない。動物や植物、場合によっては機械や岩石など無機物であっても、意志を持ち活動するのがマンガ・アニメのキャラクターであって、それが描線で表現された被創造物である以上、作品内においては人間と等価の存在である。 もちろん外見が動物や無機物であっても、それが「キャラクター」として認識されるからには、結局それは人間の内面や行動がカリカチュア(戯画)として象徴的に描写された姿にほかならない。その意味ではどのような姿をとろうともそれ

  • マンガとアニメーションの間に(2-1): たけくまメモ

    ■京都精華大学特別講義テキスト ●マンガとアニメーションの間に(2-1) 第二回「ウォルト・ディズニーをどうとらえるべきか」(1) ●講師・竹熊健太郎 ●ウォルト・ディズニーの登場 ウォルター・イライアス・ディズニー(Walter Elias Disney,1901-1966)は、20世紀初頭のシカゴに生まれた。少年時代の彼は、コミック好きで内向的な性格だった。'17年、彼は高校に入学するが、同時に夜学で美術学校にも通い絵画と写真の基礎を学んだ。ときは第一次大戦のさなかであり、温厚だった彼も愛国心をかきたてられて、'18年に赤十字部隊に志願する。もっともフランスに派遣されたときには戦争は終わっていた。 帰国後、ウォルトはカンザス・シティのグレイ広告社につとめ、ここでグラフィックデザイナー(のちアニメーター)のアブ・アイワークスと出会う。同い年の二人は意気投合し、ともにカンザスシティ・フィル

  • メビウス in 明治大学: たけくまメモ

    ←9日、明治大学シンポジウムにて(撮影・森川嘉一郎) 例によって詳細は6月末発売の「ユリイカ」に譲りますが、メビウスイベントのグランドフィナーレを飾る明治大学主催のシンポジウムに行ってきました。 この日の俺は一観客としての立場で客席からの聴講。この日は病院で定期検査の日でしたので、午前中に神奈川県綾瀬市の病院で検査を受けて、お茶の水に駆けつけた時にはシンポジウムは始まっていました。 それでも全体の三分の二くらいは見られたと思います。明大のホールがやけに立派で、これには負けたと思いました。俺が聞き始めたのは夏目房之介さんの話の途中からでしたが、さすがは夏目さんで、場慣れしております。得意の描線論でメビウスについて語っていて、論旨がまとまっており、お客さんにとっても「得した感」が高いでしょう。 6日の村田蓮爾さんの時もそうでしたが、参加者の手元にスケッチブックが用意されていました。メビウス、夏

  • メビウス in 精華大学: たけくまメモ

    ということで、メビウス氏の精華大学でのシンポジウムをレポートしようと思ったんですが、考えてみれば当日の内容はすべて6月末発売の「ユリイカ」に掲載される予定ですので、中身についてはそちらに譲ればよいと思いました。そこでここでは、当日のシンポの内容以外の「こぼれ話」を書くことにします。最初の写真は5月6日京都国際マンガミュージアムで行われたメビウス×村田蓮爾トークイベントの様子。中央の白髪の男性がメビウス氏、隣にいる帽子をかぶった男性が村田蓮爾氏。 ←いきなり日マンガ風美少女を描いたメビウスさん。出血大サービス。 二人でスケッチブックを手にめいめい絵を描きながらトークをするという、絵描き同士ならではの会となりましたが、途中いきなりメビウスさんが村田蓮爾風(?)美少女を即興で描き出すひとコマもありました。 ←6日夜、京都国際マンガミュージアムでの打ち上げパーティにて。 打ち上げには京都市長も出

  • 楳図先生はスゴイ: たけくまメモ

    昨日「まことちゃんハウス内部写真・解禁」のエントリをアップしたんですが、その直後からアクセスがグイグイ伸びてすごいことになっています(左図)。 現在「たけくまメモ」の平均アクセス数は、だいたい1日あたり1万6千なんですけれども、今年に入ってからはやや落ち着いていまして、1万から1万2千といったところでしょうか。おとといは1万4千ちょいでした。 楳図邸ネタは、来は2月1日の話なんですけれども、ブログ解禁になるまで寝かせておいたものです。「まことちゃんハウス」は昨年は裁判にもなって大変話題でしたから、これは久々に来るゾ、とは思っていましたが予想以上の伸びで、4万を超えました。 改めて、楳図先生の人気、および「まことちゃんハウス(楳図ハウス)」の注目度の高さを思い知りました。 ●ステンドグラスとカーテン ステンドグラスについては写真を載せました(左図)。これ、何のキャラクターだかわからない人も

  • 「まことちゃんハウス」内部写真・解禁!: たけくまメモ

    ←楳図邸外観。 何人もの通行人が「わ!まことちゃんハウスだ!」とケータイで写真を撮っていた。すっかり吉祥寺の観光名所となっている。 おととい16日、フジテレビの『とくダネ!』にて、噂の楳図かずお先生の新居「まことちゃんハウス」の内部が初公開されましたが、ご覧になった方もいらっしゃると思います。 これを受けまして、俺が2月1日に参加した「楳図邸新居完成披露パーティ」の際に撮影した内部写真の公開が解禁されました。なので一挙掲載したいと思います。披露パーティを仕切っていたウメズドットコムの人から、「新居がマスコミで公開されるまでは、ブログ掲載は控えて欲しいと楳図先生は希望されている」とのことでした。 http://umezz.com/jp/ ↑UMEZZ.COM ここに掲載いたしましたのはすべて俺がデジカメで撮ったものですが、素人写真であることもそうですが、改めて確認しましたら「あ。あの大事な部

  • 米沢嘉博記念図書館と明治大学の野望: たけくまメモ

    かねてより噂されていました、明治大学が設立する「米沢嘉博記念図書館」の公式サイトがオープンしましたのでお知らせします。(今回はウェブサイトのオープンであって、図書館そのものは今年の夏に開館予定です) http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/index.html ↑米沢嘉博記念図書館TOP 2006年に惜しくも逝去された故・米沢嘉博氏の業績(マンガ評論・コミケット代表等)を記念し、明大OBでもある米沢氏が生前に蒐集した段ボール数千箱とも言われる膨大なマンガ・サブカルチャー書籍を中心に、現代マンガ図書館等の協力も仰いだ日有数のマンガ図書館として明治大学が正式に設立するものです。 これに先駆けて2008年に明治大学は、マンガとサブカルチャー研究をその中心に据えた国際日学部を開設し、マンガ評論家の藤由香里氏・建築学者でオタク・秋葉原研究家の森川嘉一

  • 『ヤッターマン』には困った: たけくまメモ

    三池崇史監督の実写版『ヤッターマン』を見てきました。見たら、感想を書こうと思っていたのですが、正直、困りました。 http://www.yatterman-movie.com/ ↑実写版『ヤッターマン』公式サイト 三池崇史は好きな監督です。俺と同い歳ですが、年に5~6は監督すると言われる通り、すでに膨大な作品があって、すべてを見たわけではありませんが『極道恐怖大劇場・牛頭』は映画史に残る傑作だと俺は思いました。 アウトローを主人公にしたハードボイルドな娯楽作品が多いですが、ノリが良すぎる演出で暴走することが持ち味で、ひとたび暴走するとあり得ない超現実的な領域にまで突っ走るので、カルトなファンも獲得している監督です。時に「やりすぎ」と思えるサービス過剰な演出が、マンガ的だったりアニメ的だったりするので、『ヤッターマン』のオファーも来たのでしょう。 三池監督はかつて『ゼブラーマン』という「ヒ

  • 祝・手塚治虫『新宝島』完全復刻!: たけくまメモ

    ←完全復刻版 新寶島 豪華限定版 かねてから噂だった、手塚治虫の出世作『新寶島(新宝島)』の完全復刻豪華限定版が出ましたよ。復刻といえばもちろんこの会社、小学館クリエイティブです。マンガとしては戦後最初のベストセラーで、戦後マンガはこの作品から始まったとまで言われる作ですが、刊行当時のままの状態で復刻されたのは今回が初めてです。 もちろん書はその歴史的価値から、復刻の話は何度もあったのですが、ことごとく手塚は退けていました。理由は手塚自身いくつかあげているんですが、公式見解とは別に、実は「原作者」であるマンガ家・酒井七馬との確執が大きかったのではないか、と考えられております。 手塚は終戦直後に、関西マンガ界の大御所であった酒井七馬の主催する同人誌「まんがマン」に参加しました。戦時中、手塚は長編マンガ『オヤヂの宝島』(未完)を発表のあてもなく執筆しており、これを見た酒井が、出版社を紹介す

  • 京都で杉浦茂展: たけくまメモ

    この3月20日から5月24日まで、京都国際マンガミュージアム(京都市中京区烏丸通御池上ル)にて、杉浦茂生誕101年を記念した大回顧展が開催されます。 http://www.kyotomm.com/2008/12/sugiura101th.php ↑杉浦茂101年祭 http://www.kyotomm.com/ ↑京都国際マンガミュージアムTOP 杉浦茂は1908年東京に生まれ、若くしてシュルレアリスムの洗礼を受け、画家を志しました。しかしファインアートではえず、昭和初期の流行マンガ家だった田河水泡に弟子入りしてマンガ家に(師匠の田河も前衛芸術からマンガに転身した人物)。兄弟弟子には『あんみつ姫』の倉金章介や、『サザエさん』の長谷川町子などがいます。 杉浦のデビューは戦前ですが、ブレイクしたのは戦後の50年代で、集英社の「幼年ブック」などで『猿飛佐助』や『コロッケ五えんのすけ』『ウドンこ

  • マンガとアニメーションの間に(5-2): たけくまメモ

    第五回「反“物語”作家としての大友克洋」(2) ●『NOTHING WILL BE AS IT WAS』に見る「反物語」 70年代大友の特徴がもっともよく現れている作品として、'77年の『NOTHING WILL BE AS IT WAS』をあげたい。この作品は、自室で口論になった友人を思わず殺してしまった主人公が、死体の処理に困って、ひたすら死体をバラバラにして「処理する」過程を描いた作品である。 この作品では、殺人事件を扱った犯罪ドラマがまず描くであろう「殺人の動機」や「殺人に至る過程」が一切描かれない。冒頭のコマからして自室の畳の上にゴロリと転がった死体のアップであり、その後の処分過程を綿密に、しかし淡々と描くのみである。さらには、犯罪の結果もここには描かれない。作品の中で、アパートの住民が主人公の挙動に不審なものを感じることが描かれるのみで、その後の犯罪の発覚や、逮捕の場面などもま

  • マンガとアニメーションの間に(5-1): たけくまメモ

    ■京都精華大学連続講義レジュメ 第五回「反“物語”作家としての大友克洋」(1) 講師 竹熊健太郎 ●70年代から80年代にかけてのマンガ状況 大友克洋は70年代前半にデビューした作家である。最初に、彼がデビューした70年代から80年代初頭にかけてのマンガ状況を整理してみる。この時期はマンガ界にとっては、空前絶後の大変動期であった。簡単にまとめてみると、 ▲青年誌(ビッグコミック、漫画アクション、ヤングコミック等)の台頭により劇画状況が爛熟する。 ▲オイルショックによる経済不況に加えて、青年誌に年長読者をとられ、「少年チャンピオン」「少年ジャンプ」などの新興少年誌に年少読者を奪われて、「少年サンデー」「少年マガジン」が大幅に部数を落とす。 →マンガ雑誌の世代交代が始まる。 ▲男性読者も巻き込んだ一大少女マンガブームが起こる。 →その中心にいたのが竹宮恵子先生ら「24年組」と呼ばれた女性作家た