ブドウの「シャインマスカット」やイチゴの「あまおう」を手掛ける農家が怒っている。国内で開発された果物や野菜の「登録品種」について種苗の不正持ち出しを禁じる種苗法改正案をめぐり、野党やSNSで反対論が噴出、女優の柴咲コウ(38)もツイッターなどで疑問を呈し、話題になった。自民党からも見送り論が浮上するが、貴重な国産品種の海外流出を見過ごしていいのか。 ◇ 種苗法改正案では、登録品種(別表)の不正な持ち出しについて刑事罰や損害賠償の対象とすることが可能となる。 農家が次期作のために種苗を「自家増殖」する際に、育成権者らに許諾料を支払う必要が生じることで、「農業経営を著しく圧迫する」と野党などが反対。柴咲も《このままでは日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます》とツイートし、その後削除した。 「外資に農業が乗っ取られる」と陰謀論まがいの説も出るなかで、自民党の森山裕国対委員長は法案成立を見送る