腕に手錠をかけ、熱湯を浴びせ、模造刀で突き、鍋で殴り、食事は数日に1回――。龍ケ崎市のアパートで私立大3年の中島千佳さん(20)が虐待された末に死亡、同居していた姉ら3人が殺人容疑で逮捕された事件は12日、横江直人容疑者(23)が保護責任者遺棄致死罪で起訴され、姉と派遣社員の女性(43)は処分保留で釈放された。数カ月に及んだ暴行はなぜ、止められなかったのか。(目黒隆行、岩田智博、石倉徹也) 姉はこの日午後、後片付けのためアパートを訪れた。両親とともに部屋から出てきた姉は、「なぜ千佳さんが亡くならなければならなかったのか」という記者の質問にうつむいたまま答えず、足早に家族の車に乗り込んだ。 捜査関係者によると、姉が横江容疑者に出会ったきっかけは、インターネットの音声専門の投稿サイトだった。人気投稿者だった横江容疑者は文字で会話する「チャット」の話術が巧みで、姉は次第に信頼を寄せていった。