新型コロナウイルスに入院患者が感染していることが判明した茨城県内の病院に勤める50歳代女性医師が読売新聞の取材に応じ、偏見に苦しんだ当時を「職員を含め、病院全体が汚染されているように見られていた」と語った。病院は既に外来診療などを再開しているが、「次に感染者が出れば、『やっぱりまた』という目で見られ、駄目になってしまう」と述べ、不安な胸の内を明かした。(前村尚) ■多くの非難の声 「病院の風下にウイルスが飛んできたら、どう責任を取るのか」。この病院には当初、こうした電話が相次ぎ、職員は対応に忙殺された。近くの別の病院にも「そこは大丈夫か」「受診をやめたい」といった問い合わせがあったという。 女性医師は街中で買い物をしている姿を見られれば、非難されるのではないかと不安になり、「病院も職員も周辺地域も汚染されているように見られている」と感じた。職員の中には、眠れず、話し出すと涙があふれる人も何