野生化した外来生物のアメリカミンク=?=が、福島県内で生息域を広げている。魚や水鳥を捕食するため、在来の生態系を崩す恐れが強く、被害の多い長野県や北海道では駆除が大きな課題になっている。川を経由して隣県に拡大する恐れも強い。研究者は「東北は危機意識がまだ低い。早めの対策が必要だ」と警戒を呼び掛けている。 奥羽大(郡山市)の伊原禎雄助教(生態学)は、9月中旬から郡山市周辺でアメリカミンクの捕獲調査を行っている。阿武隈川支流の五百川と藤田川にわなを仕掛けたところ、約1カ月間で7匹を捕獲した。 捕獲場所は幅数メートルの小川で、近くに人家も多い。伊原助教は「短期で小規模の調査としては異常に多い。ほかの川にも同じように生息しているだろう」と話す。 ミンクはかつて毛皮のために国内で養殖され、福島県内でも各地で飼われていた。それが野生化したとみられる。環境省によると、2006年度には新潟県と長野県