大分空港から自動車で1時間半。緑豊かな大分県日田市の山間に、国内屈指の大規模酪農企業、本川牧場がある。東京ドーム8.5個がすっぽり入る大きさの敷地と県内外の預託先に約5000頭の牛を飼育する同社は、日本に数えるほどしかない、いわゆる「ギガファーム」の1つ。年間1万トンを超える生乳の出荷量は全国4位という。 50頭の牛から同時に乳を搾る大型設備を整えた搾乳棟には、子牛を生んで乳が出る状態にある約1800頭の牛がゆっくりとやってくる。そして搾乳を終えるとのんびり歩いて牛舎に帰っていく(写真1)。別の牛舎では生後間もない子牛がミルクを飲んだり互いに触れ合ったり、思い思いの時間を過ごしている。その様子を眺めていると、大規模酪農もおおかた「牛任せ」で日々の作業が進んでいるかのような感覚になる。
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