【力丸祥子、福島慎吾】東日本大震災の津波で被災した沿岸部の生態系が、徐々に再生している。ただ、地元の市民や研究者が調べたところ、外来種の割合が増えるといった変化が出てきた。急ピッチで進む復旧工事によって、津波に耐えた自然が危機にさらされている所もある。 被災した自然環境の再生について、研究者による講演会が1月下旬、仙台市で開かれた。 東北大の鈴木孝男助教は、津波や地盤沈下で干潟や周辺のアシ原が縮小した市内の蒲生干潟について報告。「震災前に生息していたエビ、カニの仲間や貝類など79種類のうち、48種類を確認した」と紹介した。 東北学院大の平吹喜彦教授は、震災後に観察された植物や昆虫、鳥の写真を示し、「花が咲き、実をつけ、自然がよみがえってきた」と話した。 ただ、沿岸部に大きな被害をもたらした津波の影響は残っている。 岩手県宮古市では震災直後、ツバメが被災家屋の軒先などに巣を作り始め
宮城県塩釜市沖に浮かぶ桂島の土手に植えられたニホンズイセン。今月初め、開花し始めた=宮城県塩釜市で2012年3月2日午後1時57分、春増翔太撮影 東日本大震災の被災者を励まそうとボランティアらが花などを移植する活動に、東北大の河田雅圭教授(進化生態学)が警鐘を鳴らしている。植物の種類や植え方によっては、その土地の固有種を脅かす恐れがあるからだという。河田教授は「善意からの移植で、被災者も喜ぶ。でも注意を呼びかけておかないと、意図せず生態系を壊してしまう可能性がある」と話している。 宮城県塩釜市の沖合に浮かぶ桂島。島内にある二つの集落を結ぶ道路の脇に昨秋、約1万5000株のニホンズイセンの球根が植えられた。山梨県の園芸家らが、早春に咲くニホンズイセンを植えたのは「一足早い春を被災者に感じてほしい」と願ったからだ。 ただ、桂島など浦戸諸島の動植物を研究している河田教授は、こう指摘する。「ニホン
◇ニホンジカ・イノシシ、狩猟者減で打開策なく 急増するニホンジカやイノシシによる農林業と自然植生の被害対策として、研究者らでつくる「日本オオカミ協会」(会長=丸山直樹・東京農工大名誉教授)が、絶滅したオオカミを復活させる「再導入」を提言している。国は復活に否定的だが、農山村の過疎化や狩猟者の減少で獣害に打開策が見いだせない中、「最後の切り札」と関心を寄せる人もいる。協会が昨年10月に松本市で開いたシンポジウムの内容を報告し、オオカミ復活論に対する関係者の見方や、再導入・検討事例を紹介する。【武田博仁】 ■欧州で2万頭 協会が松本市で開き、約80人が参加したシンポジウム「ドイツに見るオオカミとの共生」では、ヨーロッパの現状についてドイツ人専門家が講演した。日本と似た人間の土地利用の中で生息する実態を紹介し「オオカミは怖くない」と訴えた。 報告したドイツ最大の自然保護団体「自然・生物多様性保護
和歌山県串本町の紀伊大島でここ数年、農産物被害が広がっているイノシシ対策として、同町須江の京都大フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所は、島内に分布するアオノクマタケラン(ショウガ科)をイノシシよけに使う実験を始めた。 毎晩のように出没していたイノシシの通り道などに葉を敷き詰めたところ、ほとんど寄りつかなくなり、周囲を掘り返した形跡も消えた。獣害対策の決め手に欠ける中、イノシシの行動を抑制し、被害の軽減につながるのではと期待されている。 紀伊大島に生息していなかったはずのイノシシが島内で目撃され始めたのは10年程前から。住民の間では、2001年8月の台風11号の際、古座川に流された数頭が島へ泳ぎ着いたのではとされている。 島内では、200軒以上がサツマイモやかんきつ類などを栽培しているが、ここ数年、畑が荒らされるなどの被害が急増。08年は8頭、09年は11頭が捕獲され、今年度は、5軒
『札幌市のヒグマ出没大騒動に思う』 公益財団法人 知床財団 統括研究員・事務局長 山中 正実 今、人口190万をこえる北海道最大の都市、札幌がテンヤワンヤの大騒ぎである。都心部に近い中央区の山寄りの市街地にヒグマが出没しているという。すでに十数回の目撃が通報され、クマ騒ぎの話題が連日マスコミをにぎわしている。何らかの原因で住宅地付近に紛れ込んでしまったと思われる1頭の若いクマ(おそらく)に大都市が揺れているのだ。一方、知床では年間のクマの出没件数は、この10年あまりずっと高止まりで600~900件。今回の事件で、あまりに報道関係などからの問い合わせが多いので以下に所見をまとめてみた。ただし、知床は札幌から400kmも離れた遠隔地であり、自然環境も社会環境も全く異なる。また、現地調査をしたわけでもないので、下記はあくまで、一般論、知床での経験や伝え聞く状況証拠からの推測である。 ■北海道庁に
札幌の街中でヒグマ出没が相次ぐ、というニュースが流れています。本件に対して「日本熊森協会」がコメントを出していますが、記述があまりに不正確なうえ、北海道民を明らかに侮辱する内容であると感じ、批判するとともに主張内容を分析しました。 なお、ヒグマの出没に関してのまとめ・状況分析は、「札幌のヒグマ出没についてちょっとしたまとめ」において行っています。併せてお読みください。 日本熊森協会の主張 日本熊森協会(以下「熊森」)は札幌市でのヒグマ出没および近郊の恵庭市における射殺など、一連のヒグマに関して、公式ブログの10月7日付けの記事で見解を述べています。本エントリでは、これをヒグマ出没および北海道の獣害対策に関する熊森協会の公式な見解であると捉え、内容を分析します。 以下の引用部については、全て当該記事:大量に捕殺されていく北海道のヒグマ 6日恵庭市で殺されたのは、胃の中空っぽ−くまもりNew
札幌市内でヒグマの出没が相次いでいます。山林に面した同市内では、これまでもヒグマが目撃されることは珍しくありませんでしたが、今回は中心部にほど近い住宅街での目撃が多発したため、大きなニュースとなりました。10月10日現在での出没状況を簡単に整理してみました。 ※ヒグマ出没に関して、市民ができる対策※ 札幌市の「ヒグマ対策」のページおよび周辺で得られた情報から、現在の市内の出没状況に対してできる対策を抜粋します。 薄暗いときなどには山へ近づかない ヒグマの主な活動時間は、夕暮れから夜間、早朝までの間です。現在出没が確認されている中央区・西区および南区にお住まいの方は、薄暗い時間の外出には充分注意なさってください。 早朝・夕方の散歩、特に犬を連れた散歩は控えましょう 同様の理由で、早朝の散歩等でヒグマに遭遇する危険があります。特にイヌを連れた散歩ですと、イヌが吠えてクマを刺激する危険性が考えら
今日のホットスポットは、つっこみどころ満載だった。 (1)ヒカリコメツキムシが食べているのはシロアリじゃない と思ったら、すでに「アリのブログ」さんがこの点を指摘されていた。 (2)ヒカリコメツキムシは羽アリの出現期以外には何を食べているのだろう 「羽アリを食べて栄養を蓄え、3年かかって成虫になる」というナレーションがあったが、まさか羽アリの出現期以外は休眠しているわけでもあるまい。 (3)1万年前に大型草食獣がほろんだ原因が300万年前の肉食獣の侵入? 1万年前に大型草食獣がほろんだ原因として気候変動をあげたあとで、「さらに追い打ちをかける事態が起きた」と言って、300万年前のパナマ陸橋の成立と肉食獣の侵入を紹介していた。いくらなんでも、1万年前のできごとに、300万年前のできごとが追い打ちをかけることはできないだろう。 (4)ハキリアリの巣内に運び込まれたロベイラの種子は発芽できるのか
生物の多様性を保全することは、あらゆる生命体の生存基盤である生態系の維持に不可欠であるため、いまや人間社会の重要課題となっている。とりわけ、種の絶滅は取り返しのつかない事態であることから、絶滅のおそれのある種の回復は、最優先に取り組むべき課題で、これには現存する野生個体群の保全・回復がもっとも重要である。 一方、野外で絶滅した、あるいは絶滅のおそれのある野生動物を回復させることによって生態系の復元をはかるために、世界各地で再導入が行われてきた。わが国でも、大型野生動物では初めての再導入が2005 年9 月にニホンコウノトリで実施され、さらにトキ、ツシマヤマネコなどでも再導入に向けた取り組みが行われている。 しかし、再導入は、不適切に行われると生物多様性に悪影響を与えるばかりでなく、あらたな感染症を拡散させるなど、大きな弊害を生み出すこととなる。そのため、国際自然保護連合・種の保存委員会・再
このトピック方面が目につくようになり別件でエントリを準備していたのだが、ここ数日、準備していたネタの斜め下方向に呆れかえる情報をいくつか見、関連情報をチェックして回っていたのでメモがてら当方でもエントリを上げておこう。 最新の呆れかえった情報は、今日の朝に出た報道だ。 東京新聞 2010年11月14日 朝刊『行政・住民VS保護団体 クマ殺処分 対立7時間』 愛知県瀬戸市片草町の山林で十三日、おりにかかったツキノワグマの殺処分を決めた行政、地元住民と、処分を阻止しようとする自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)が七時間にわたって対立。話し合いは平行線のまま、結局クマは瀬戸市に依頼された猟友会の会員に射殺された。 この件に関しては、この「自然保護団体」が自前のコンテンツで情報発信をしていたので見ていた。 市環境課によると、クマは九日、イノシシ用のおりの中で発見された。最初は殺さずに放すこ
島で廻った常緑の林にも,夏緑樹が混ざる。ヤクシマオガラバナ Acer capillipes var. morifolium (KOIDZ) HATUSIMAやヤクシマサルスベリLagerstroemia subcostata var. fauriei等が混ざる。これはこれで,当たり前の酔う西部て紅葉する夏緑樹林のそれとは,また違う美しさを感じる。 と,久しぶりにテキストに学名を入れてみる。ラージ/スモール・キャピタルを使うって結構素敵。 相変わらず渓流の水は澄んでいる。その裏返しで生命反応は脆弱だが。屋久島には純粋な淡水魚は自然分布していない。遥か昔にヤマメを放流した大学人が居るのだが。それはそれで特定の地域では当たり前のように繁殖しているわけで移入種問題的には話題になったりする。 キノコには詳しくない。裏側を撮った画もあるのだが,後で調べられるかな。とさらっと流す。この分野,もう少しわか
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