リコールを巡り自動車メーカーが部品メーカーを損害賠償で訴えるという、日本の自動車業界では前代未聞の事態が起こった。マツダ <7261> は6月、パワーステアリングの不具合でリコールを行ったことに関し、部品の製造過程に原因があるとして、当該部品を供給した東海ゴム工業 <5191> に対して、修理にかかった費用など約156億8800万円の損害賠償を求める訴えを、広島地方裁判所に起こした。国土交通省のリコール担当者は「リコールで車両メーカーが部品メーカーに損害賠償を起こすなど、聞いたことがない」と驚く。 問題となっているリコールは、2009年から2010年にかけて、マツダが「アクセラ」「ビアンテ」「プレマシー」のパワテアが効かなくなることがあるとして、国内外約59万0319台を回収・修理したもの。マツダが国交省に届けた資料では、パワステの油圧配管の製造工程が不適切で内部にさびが発生、そのさびが原