【パリ=三井美奈】イタリアのマッタレッラ大統領は28日、コッタレッリ国際通貨基金(IMF)元財政局長の首相指名により、欧州連合(EU)との協調路線を鮮明にした。連立名簿を拒否されたポピュリズム(大衆迎合主義)2党は大統領批判を強め、再選挙をにらんで支持固めに走り出した。 コッタレッリ氏はIMFで英国やイタリアの財政モニターを担当し、赤字削減を促して「コストカッター」と呼ばれた人物。報道によると、同氏の暫定政権は閣僚を12人程度にとどめ、来年の予算策定を最優先課題とする。政党色のない元裁判官や大学教授の閣僚起用が浮上している。 同氏の首相指名は「イタリアはEUが求める財政再建を進める」という大統領のメッセージにほかならない。フランスのマクロン大統領は、「マッタレッラ氏を支持する。責任と勇気を示した」とたたえた。 一方、首相指名はポピュリズムをさらにあおる恐れもある。2党は大統領の組閣介入を「