私が座ってもいい場所 「私、大学が好きだったんですよね。私が座ってもいい場所がたくさんあったから」 そんなことを言った女の子がいた。なるほど、それはあの場所のいちばん大切なことかもしれないと思った。 たしかに、大学は一日中そこにいなくてはならない自分の座席が決まっているわけではない。たくさんの教室、そして屋内外を問わずキャンパスのいたるところにあるベンチ。そのときの気分で、思うまま、どこに座っても誰も変な顔をしない。あなたはどこに座っていてもいいし、座っているあなたを追い立てる者は誰もいない。これはあの場所を出て初めて分かることかもしれないが、案外ほかにないのだ。ああいう場所。 長らく閑散としていたキャンパスにも少しずつ学生が戻り始めている。きっとみんなまた好きなところで腰を下ろしていることだろう。 旅人も京都に戻り始めている。先だっての週末、秋の空の青さと仕事の絶望的な進捗にいたたまれな
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