みなさん、初めまして。精子研究に長年携わってきた東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)・精子研究チーム5人の共同執筆で、この連載を始めることになりました。 現在の不妊治療の主流は、精子や卵子、受精卵を体の外で扱い、人工的に受精や妊娠を促すというものです。難しい医学用語で「生殖補助医療(assisted reproductive technology=ART)」と呼ばれます。 ARTのTはテクノロジー。私たちのチームは慶応大病院産婦人科、泌尿器科の男性不妊班がルーツであり、「ヒト精子取り扱い技術」を研究してきました。聞き慣れない言葉ですが、具体的には、授精に使う精子を精液から選別し、さらに、その精子の機能や形を細かく検査することで、生まれてくる子供の健康につなげようという研究です。初回は、この連載を通して私たちが伝えたいことの全体像を、コンパクトにまとめてお話しします。 まず始めにお伝えし
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