新卒社員がすぐ辞めてしまうというのは、いつのころからか手垢のついた話題になってしまいました。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」が出版されたのは2006年です。 私事で恐縮ですが、僕は初めて入社した会社に入社後10か月そこらで退職願を出しています。1997年のことです。就職氷河期が就職「超」氷河期と呼ばれ始めたころ。大学や研究室とコネやツテがある就職先を検討せず、さりとてどこかアテがあるわけでもなく、社会に出て働くということへの認識もあやふやで、といってそれ以上研究生活を続ける頭脳も気力も無く、ほとんどなりゆきで入ったのがその会社でした。 「違う。」 生活していくためには避けられないこととはいえ、お給料のためにこんなことをやり続けるというのが「働く」っていうことなの? 幼稚園、小学校から始まって大学院まで、両親をはじめたくさんの人たちに苦労をかけて育てられ、学ぶ機会を与えられてきたのは、結局こ