主要7カ国(G7)は19日から広島で首脳会議(サミット)を開く。経済・軍事で力を強める中国やウクライナに侵攻したロシアへの対処で結束を示す場となる。世界に占めるG7の力がかつてに比べ小さくなった状況で新興・途上国との協力を探る。経済規模や安全保障、人口などのデータから世界におけるG7の姿をみた。
グローバリゼーションが 試練に直面しているグローバリゼーションは国境を越えてヒト、モノ、カネを網の目のように世界につなげてきた。価値の交換を通じて世界に豊かさをもたらしてきた半面、富の偏在を生み、文化や価値観の違いによる対立も表面化した。ロシアがウクライナに侵攻し、米中対立が激しくなるなか、分断の試練に直面する。分断の先にある次の世界とは。ビジュアルデータで探る。 Next World 分断の先に 01世界は つながることで成長グローバリゼーションは一進一退の歴史を繰り返しながら広がってきた。国際通貨基金(IMF)によると、世界の貿易額はこの50年で70倍と、国内総生産(GDP)の30倍を大きく上回るペースで膨らんだ。拡大の契機となったのは、1970年代に主要国で変動相場制への移行や資本移動の自由化が進み、国をまたぐ資本の移動が加速したことだ。貿易の急拡大はときに摩擦を生んだが、冷戦終結に
ふるさとクリック 地図で見る 子育て世代の流出入 新型コロナウイルス禍で子育て世代の居住地選びが変化している。転入者数から転出者数を引いた「転入超過数」を人口で割った「転入超過率」でみると、東京など大都市圏に集中する流れが一転、全国各地へと流出している。あなたの街を調べてみよう。 総務省の「住民基本台帳人口移動報告」と「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」を使い、30~40歳代の子育て世代について、全国各地の転入超過数(転入者数-転出者数)を同年代の人口で割って「転入超過率」を算出した。プラスが大きいほど子育て世代の流入が人口を押し上げ、マイナスが大きいほど流出が人口減に拍車をかけていることが分かる。全国1741市区町村ごとに年齢別データの公表が始まった2018年以降、最新2021年までの子育て世代の流出入を追えるようにした。 「住民基本台帳人口移動報告」 「住民基本台帳に基づく
もはや当たり前のように低空飛行を続ける経済、新型コロナウイルス禍、拭えない格差や不平等ーー。私たちはかつてなく満たされない時代を生きているのかもしれない。失われつつある物心の豊かさを取り戻すことはできるのか。データをもとに日本の豊かさの現在地を探ってみよう。日本経済新聞は新連載「成長の未来図」をスタートした。 成長の未来図 特集ページはこちら 「高度成長期」「栄光の30年」などと評された第2次世界大戦後の成長のピークからおよそ半世紀が過ぎ、先進国の経済は慢性的な低成長に陥っている。少子高齢化へ向かう人口動態が成長の余力を削ぎ、富は社会の隅々に届きにくくなった。 米グーグルの書籍データは時代ごとの人々の関心事を映す。世界の英語文献に「economic growth(経済成長)」という単語が登場する頻度は戦後の成長期に急伸したが2000年以降は低迷。逆に「happiness(幸福)」が足元で1
ふるさとクリック 地図で見る 人口 全国の市区町村ごとのデータを地図とチャートで見る「ふるさとクリック」。人口は全国では減っているが、増えている自治体もある。あなたの街を調べてみよう。 国が5年ごとに全住民に調査する国勢調査から市区町村別に5年間の人口増減率を算出し、1985年以降の推移を追えるようにした。最新結果である2020年の人口は総務省「国勢調査(人口速報集計)」、1980~2015年は総務省「統計でみる都道府県・市区町村のすがた」から、それぞれ取り出した。2006年に山梨県で甲府市と富士河口湖町に分割編入された旧上九一色村の人口は1980~2005年の両市町には含まれていない。 「国勢調査(人口速報集計)」 「統計でみる都道府県・市区町村のすがた」 一部のAndroid端末で OS Android 12をご利用されている場合に、こちらのページの内容を正常に表示できない場合がありま
世界をひとつにするはずだったインターネットに、深い亀裂が走っている。国際関係の悪化が影響し、国境線が情報流通を滞らせ始めた。ネットの分断を意味する「スプリンターネット」という造語がささやかれる中、データを巡る世界の勢力図の変遷を追った。 新たな情報覇者、 中国世界を巡るデータを最も多く手にしているのは誰なのか。 日本経済新聞データエコノミー取材班は、国境を越えて流通するデータ(越境データ)量を主要国・地域別に分析した。すると中国が米国をも圧倒する「情報覇者」だったことがわかった。 分析方法 国境を越えて流通する データ量のランキング 国境を越えて流通する データ量のランキング 国境を越えて流通する データ量の推移 国境を越えて流通する データ量の推移 国境を越えて流通する データ量の推移 国境を越えて流通する データ量の推移 中国のデータ量 米国の2倍 2019年、越境データが最大だったの
定年退職後も住宅ローンを返済し続ける高齢者が増えそうだ。日本経済新聞が住宅金融支援機構のデータを調べたところ、2020年度の利用者が完済を計画する年齢は平均73歳と、この20年で5歳上がった。借入時の年齢や金額が上昇しているためだ。70歳まで雇用が継続されても年金生活は不安定になりかねない。貸し手も借り手も老後リスクを吟味する必要がある。 「返済計画に無理があった」 神奈川県相模原市に住む岡田望さん(仮名、68)は悔やむ。高齢で持ち家がないのは不安との思いで、1993年に3000万円を借りて住宅を買った。ところが、定年時にあてにしていた退職金が出ず、見通しが狂う。年金だけでは返済資金と生活費をまかなえないのでアルバイトを始めた。それでも収入は現役時代の半分以下のため、生活は日々苦しくなる。「もう限界だ」と、今は持ち家の売り先を探す日々が続く。 老年期に返済リスクを先送り いまは低金利とはい
半導体は韓国の看板商品です。スマートフォンの普及やIoTの進展を追い風にしたメモリーの好調で、輸出額は最近10年で4倍に成長。2018年には1000億ドル(約11兆円)を突破しました。現在は輸出全体の20%近くを半導体が占めています。半導体産業の浮き沈みは韓国経済の「体温」を決めます。 GDP成長率を下方修正 韓国の半導体輸出は急減速 半導体輸出は米中貿易摩擦の余波で18年後半から急減速。足元では前年より約3割少ない水準です。7月、韓国政府は19年のGDPの実質成長率見通しを2.4~2.5%と、昨年12月時点の2.6~2.7%から引き下げました。7年ぶりの低成長です。 企業業績にも暗雲 サムスン電子の連結業績 (四半期ベース) ※19年4-6月期は速報値 半導体市況の悪化で、サムスン電子は19年4~6月期の営業利益が前年同期から6割減りました。中国政府が産業政策のロードマップ「中国製造20
「どうして同じ広告ばかり表示されるのか」。インターネットを見ていて疑問に思ったことがあるだろう。実は、過去に見たサイト履歴などからあなたの好みや属性を機械が推測し、興味がありそうな広告を0.1秒以内に配信しているのだ。この作業が膨大に繰り返され、1兆円市場を形作る。知られざる「ターゲティング広告(狙う広告)」の世界に飛び込んでみよう。 2000年ごろまで広告取引はシンプルだった。広告を出したい企業と、出してもらいたいメディアがおり、その取引を広告代理店の営業マンがつないでいた。 ネットが普及して広告枠が大量に増え、人力で埋めるのが難しくなった。そこで2010年ごろ、広告を機械が自動で取引する仕組みが拡大。今では自動取引が全体の8割に達し、2018年には1兆円を超える見通し。 パソコンを立ち上げてサイトを開く。その瞬間、あなたが見たサイト履歴や検索した単語を機械が分析。「引っ越し先を探してい
Introduction SNSの情報発信源として強い影響力を持つ人をインフルエンサー(influencer)と呼ぶ。日本でツイッター投稿が盛り上がった10月の衆院選を分析すると、選挙のインフルエンサーの意外な姿が浮かび上がった。 データ出所:NTTデータ。リツイート含む。年代はNTTデータが推定した もっとも注目されたTweetは トランプ氏の4倍衆院選期間中の「選挙」にかかわるつぶやきをリツイート数の多い順にランク付けしたところ、トップ5はすべて4万を超え、最も多いもので9万近くに上った(10月下旬)。頻繁なツイッター発信で知られるアメリカのトランプ大統領でも、11月の来日時のつぶやきでみればリツイート数は多くて2万台。ランキング上位のつぶやきはトランプ氏の倍以上の影響力があったことになる。上位に並んだのは、投票を呼びかける前向きなつぶやきだ。 RANK Tweet DATE RT 1
Introduction 先の衆院選はツイッターでも大きな話題になった。選挙期間中の国内すべてのつぶやきを分析すると、リアルとは違う意外な姿がみえてきた。 データ出所: NTTデータ。リツイート含む 選挙のつぶやき、 「清宮」の10倍「台風」の2倍 ツイッターで選挙関連のつぶやきが増えたのは投開票日の10月22日だった。2%程度で推移してきた選挙関連ツイートは、この日一気に5%に膨らんだ。日本ハムが早稲田実業高の清宮幸太郎選手をドラフトで1位指名し、日本中の話題をさらった10月26日、「清宮」のつぶやきはわずか0.4%。「ドラフト」でも0.8%だった。10月23日の「台風」ツイートでも2.3%。選挙のつぶやきの5%がいかに多かったかがうかがえる。
ファナックもほれ込むベンチャー人材 世界トップ級の技術者が集う人工知能(AI)ベンチャーのプリファードネットワークス(PFN、東京・文京)。今夏のインターンは4人を採用したが、応募者数は50人を上回る。副社長の岡野原大輔(33)は「インターン生はフルタイムの社員並みに厳しい基準で選考する」と説明する。米コロンビア大学大学院に留学中の久米絢佳(27)は「最先端を学ぶにはここしかない」と、わざわざ帰国してプログラムに参加した。 東京大学大学院出身の松元叡一(25)は、2014年夏のインターン参加者だ。AIの最新技術「ディープラーニング(深層学習)」をテーマに選び、米グーグルなどが手がける第一線の研究を上回る成果を出した。松元は今年4月にPFNに入社し、AIの分野では世界の先端を行くプロジェクトの中心メンバーになった。その技術力にほれ込んだロボット大手のファナックは6月、PFNとの業務提携を決め
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