高速増殖原型炉「もんじゅ」など原発3基が立地し、2基の増設が計画されている福井県敦賀市の市長選は、原発との共存共栄路線の継続を訴えた無所属の現職、河瀬一治氏(59)=自民推薦=が、5選を果たした。 現職と3新人が立候補。いずれも福島第1原発事故の知見を反映した安全対策を原発事業者に実施させた上での運転継続を主張した。この枠内で将来的な「脱・原発依存」を目指す主張はあったが、即時停止や廃止を求めた候補はいなかった。 同市は潤沢な原発交付金により、09年度まで22年連続の地方交付税不交付団体。来春着工予定の敦賀原発2基増設による地元への経済効果は約1200億円で、工事関係者約3000~4000人が地元入りするとの試算があり、市民の間に原子力産業への経済的な期待感が根強くある。 河瀬氏は4期16年の市長経験や、全国の原発立地自治体で作る「全国原子力発電所所在市町村協議会」会長としての実績を強調。