【北京・工藤哲】リビアのカダフィ政権後をにらみ、中国が国連や新興国への協力要請を強めている。中国企業はこれまでリビア国内における原油関連事業などに関与、融資活動も続けてきた。このため政権崩壊でこうした権益が損なわれ、欧米諸国に奪われることを懸念している。 国営新華社通信によると、中国の楊潔※(ようけつち)外相は24日、ブラジルのパトリオタ外相と電話会談し、ブラジルなど5カ国(BRICS)が連携し、リビアへの人道支援を継続すべきだとの考えを示した。パトリオタ外相も中国との緊密な意思疎通を図る意向を示したという。 また、楊外相は23日、潘基文(バン・キムン)国連事務総長と電話協議。国連が内戦後のリビアの体制作りで主導的な役割を果たすべきだと訴えた。 背景には中国の危機感がある。長引く戦闘で、中国企業がリビア国内で進める計50の開発プロジェクト(総額約188億ドル)は停止状態にある。さらに反体制