【「物価水準の財政理論」とは】 デフレからの脱却が遅れ、金融政策にも手詰まり感がある中で、「物価水準の財政理論(FTPL)」への関心が高まっています。先日も、この理論の先駆者であり、日本への適用を提言しているプリンストン大学のクリストファー・シムズ教授が日本を訪れました。彼の主張によれば、物価水準は財政政策によって決まり、デフレ脱却を目指す日本政府が現在なすべきことは、財政政策をインフレ目標にリンクさせることであるということになります。より具体的に言うと、消費税率の引き上げをインフレ目標が達成できるまで延期すべきだと提言しています。 (東京で開催されたセミナーにおけるシムズ教授の講演とその後のパネル討論の概要については、「国は「将来の増税なし」と宣言し、インフレ誘導を―物価水準の財政理論でシムズ氏らが講演」を参照して下さい。) このような議論は、世界的にも最悪の状態にある財政事情に対する考