太田 智之 みずほ総研ニューヨーク事務所長 1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。2012年7月より現職。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。 この著者の記事を見る

太田 智之 みずほ総研ニューヨーク事務所長 1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。2012年7月より現職。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。 この著者の記事を見る
人はなぜ、自分が生まれ育った街がテレビに映ると、チャンネルを合わせたり、はたまた録画したりするするのだろうか。 バラエティでも、報道でも、ドラマでも。 すまない。勝手に普遍化していた。 私は「する」のだが、皆さんはどうですか。 以前、新井素子さんが「そういえばウチの旦那も、田舎が出てくる番組は、バラエティでも映画やドラマでも必ず録画してる」と不思議そうに書いていたので、そういう嗜好の人は男性にはけっこう多いのかもしれない。反対に、その行為は新井さんには「不思議そうに」映ってもいたわけだ。 ちなみに新井さんのご主人のご実家はO県某所であって、過去の事件やそれを元にしたミステリーの映画化やドラマ化も多くなされている場所なので、テレビに登場する機会もけっこう多かろうと思われる。 たとえば「アド街ック天国」や「鶴瓶の家族に乾杯」などのご当地探訪バラエティで、自分が住んでいるところがロケ地になってい
フランス人経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏が書いた『21世紀の資本論(Capital in the Twenty-First Century)』が今、米国をはじめ世界中で注目を集め、売れに売れまくっている。700ページ程の分厚い経済書としては異例の出来事だ。皮肉にも、ピケティが上位1パーセントの高額所得者に仲間入りするのは確実だ。『資本論』出版のタイミングと誰にでも理解できる大胆な政策提言(富裕層から富を税金で奪い取れ)は、米国政治の右派と左派の感情を刺激するには完璧であった。 2008年に始まった世界金融危機以降、一般大衆は失業や低賃金など経済苦境を長く経験してきた。同時に、かれらは金融危機を引き起こした張本人であるはずの、投資銀行の最高経営責任者(CEO)達が一般労働者の1000倍近い超高額報酬を得ているのを見ている。 そして、多くの人びとが資本主義そのものに疑
世間を驚かせたKADOKAWAとドワンゴの経営統合。「日の丸連合でグーグルなどIT列強に対抗」「クール・ジャパンを推進」と評する向きが多いが、その解釈に違和感を覚えた。確かにそう言えないこともないが、ドワンゴの川上量生会長を取材してきた身としては、「対抗」「推進」といったいかにも官僚が考えそうな文言と、川上会長のキャラクターとのずれを感じざるを得なかったのだ。そして5月末、川上会長と話す機会があり、違和感の理由がはっきりとした。 5月14日午後、東京・銀座の歌舞伎座タワーに入居するドワンゴ本社。KADOKAWAと10月に経営統合する旨が川上会長から伝えられると、居並ぶ社員から「あぁ…」とため息がこぼれた。といっても、経営統合自体への落胆ではない。持ち株会社の社名が単に2社の名前をつなげた「KADOKAWA・DWANGO」になることに対してだ。 川上会長はネット上で「kawango(カワンゴ
例年、3月末には学生アルバイトが退職するため店舗のスタッフが減るが、今年は景気浮揚の影響もあり、それを補う採用がうまくいかなかった。一部店舗においては人手不足が原因で閉店を余儀なくされ、せっかく「すき家」の牛丼が食べたいとご足労いただいたお客様には、ご迷惑をおかけして大変申し訳なく思っている。 また、採用が思うようにいかずに一部のアルバイト諸君、クルーのみなさんの負担も増えた。こうした状況は急速に回復しつつあるが、3月末から4月にかけて、そういう店舗が発生したということについては、対策が必要であるという認識を持っている。 現状をお話すると、人手不足で閉店しているのは28店、リニューアルを目的とした閉店なども合わせると、5月14日現在、184店が閉店中だ。(人員不足の影響はすき家だけ大きいように見えると指摘されるが)すき家は全国に約2000店舗あるので、目立つということはあるだろう。100店
日経ビジネスは5月19日号の特集「さらば使い捨て経営~『正社員化』だけでは解決しない」で、人手不足の深刻化を背景に、問題が噴出する非正規雇用を取り上げた。「ブラック批判」を浴びる一部の企業にとどまらず、業種を超えた様々な企業で人材確保が困難になりつつある。本コラムでは、特集誌面には収めきれなかった企業の動きや経営者・識者のインタビューなどを紹介する。 第一回は、営業時間の短縮や休業する店舗が相次いだ牛丼大手「すき家」を取り上げる。アルバイトなど関係者の証言から勤務の実態に迫った。 「パワーアップ工事中」。4月下旬の土曜日の午後6時、東京都品川区にある総合スーパーのフードコートで、1店舗だけ閉店している飲食店があった。牛丼大手「すき家」の店舗だ。夕食時で混雑しており、同じフードコートに入居する「マクドナルド」「リンガーハット」「はなまるうどん」「築地銀だこ」には、軒並み行列ができていた。そん
戦争は人間にとって利益になるのか? あまりにも大上段に振りかぶった質問である。今回、なぜ、この疑問を投げたのかというところから話を始めたいと思う。 米国で4月、『War! What Is It Good For?(仮訳:戦争! 恩恵はいったい何なのか)』というタイトルの本が出版された。この直後から米国のさまざまな場で、識者たちが戦争の功罪について議論を始めている。 著者はスタンフォード大学歴史学部のイアン・モリス教授。2011年に『人類5万年 文明の興亡(上・下):なぜ西洋が世界を支配しているのか』という、こちらもまた大胆なテーマの書籍を世に出している。日本では今年3月に同書の訳書が出版されたばかりだ。 そして今回のテーマが戦争である。最初に述べておくと、モリス教授が説くのは「戦争の肯定」である。戦争という行為は、多くの場合、人間を殺傷することだ。それをなぜ肯定できるのかという疑問がすぐに
エマニュエル・トッド氏 フランス国立人口統計学研究所(INED)の研究員。歴史人口学者、家族人類学者。1951年生まれ。祖父は作家のポール・ニザン。1976年に出版した処女作『最後の転落』でソ連崩壊を予言して衝撃を与える。2002年の『帝国以後』で米国の衰退を予言、世界25カ国語に翻訳されるベストセラーとなった。他の著書に『世界の多様性』、『新ヨーロッパ大全』、『経済幻想』、『デモクラシー以後』(以上、邦訳は藤原書店)など(写真:大槻純一、以下同) 歴史人口学という学問分野がある。個人の出生・結婚・死亡のデータを調べて社会の変化を分析する。1976年、『最後の転落』(La Chute finale)という著書がフランスで出版された。著者はエマニュエル・トッド氏。25歳の新進気鋭の歴史人口学者だった。 トッド氏はソビエト連邦の乳児死亡率の高さに注目し、「ソビエト連邦は崩壊する」と大胆に予想し
「マンナソ パンガプスムニダ(お会いできてうれしいです)」 25日の日米韓首脳会談。安倍晋三首相は初顔合わせとなった韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に笑顔交じりに韓国語でこう呼びかけ、友好ムードを演出してみせた。 テレビが映らないところで握手 だが、朴氏は硬い表情のまま。写真撮影が終わる際、カメラマンから「握手をしてください」との声が飛んだが、安倍首相と朴氏がためらい、会談のお膳立てをした米国のバラク・オバマ大統領が苦笑する場面もあった。 もっとも、テレビに映らない会談終了時には安倍首相と朴氏はお互い笑顔で握手を交わしたという。 2人は昨年9月のロシアでの20カ国・地域(G20)首脳会議の会場で数分間立ち話をしている。政府関係者によると、この際の和やかな会話の終わりに、朴氏は安倍首相にこう念を押している。 「私と握手したことは外で言わないでください」 安倍首相に対するこうした朴氏の対照的な
急激な環境変化に直面した時、新しい環境に適合できない生物は死に絶える。その暴力的な力を前に生物は無力だ。いや、その選択圧を利用して進化してきたのが生物の歴史とも言える。 今から6550万年前に衝突した巨大隕石によって地球の環境は激変し、興隆を極めた恐竜は死に絶えた。そして僅かに生き延びた哺乳類が我々の祖先となった。 いきなり大昔の恐竜の話を持ち出したのにはわけがある。日本メーカーが世界をリードしてきたデジタルカメラが存亡の危機に瀕しているからだ。カメラを愛して止まない1人の日本人として、これは看過できない問題だ。 コンデジ市場は4年で7割も萎む CIPA(カメラ映像機器工業会)は3月3日、デジカメの世界出荷統計を発表した。そのデータを見て、私は暗澹たる気持ちになった。 青い棒グラフが、レンズ一体式のコンパクト型デジカメ(コンデジ)の出荷台数を示している。右肩上がりで伸びてきた市場はリーマン
徳島県の片田舎に神山町という町がある。人口6000人あまりの小さな町で、吉野川の支流、鮎喰川の上流部に位置している。少子高齢化も進んでおり、高齢化率は46%に上る。過疎化に苦しむ、日本の中山間地の典型のような場所だ。 ところが、神山はIT(情報技術)ベンチャーの“移転”に沸いている。 名刺管理サービスのSansan(東京都千代田区、寺田親弘社長)が2010年10月にサテライトオフィス「神山ラボ」を開設したのを皮切りに、9社のベンチャー企業が古民家を借りた(サテライトオフィスとは、遠隔勤務を前提としたローカルオフィスのこと)。借りるまでにはいかないものの、ヤフーやグーグルなど大手IT企業の社員が短期滞在で訪れることもしばしばだ。空き家として放置されていた古民家がオフィスに姿を変えている。 その動きはオフィスだけではない。 移住者の増加に伴って、店舗や施設のオープンも相次いでいる。ここ数年を見
私が公共投資主導型の経済政策に反対する理由には、短期的な側面と長期的な側面がある。短期的な反対理由は、公共投資が経済を成長させる効果はそれほど大きくなく、むしろ財政赤字を増やすという副作用が心配というものだ。今回述べるのは、この短期的な側面である。長期的な側面の問題は次回述べることにする。 短期的に見た公共投資の問題点 まず、短期的な視点からの反対理由の概要を述べておこう。前回も述べたように、公共投資は経済にとって必要である。これを否定する人はいない。しかし、それには、公共投資によって整備される社会資本がもたらす便益が十分大きいという前提が必要だ。 一方、公共投資で景気を良くしようという発想は、「公共投資を実行すればお金が落ちる」という効果(需要効果)を期待したものである。この場合は、極端に言うと「どんな公共投資でもいい」ということになる。景気対策で「5兆円公共投資を増やそう」という掛け声
連載2回目に登場する賢者はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション」の生みの親で、現在は自ら設立したサイバーアイ・エンタテインメントで次世代技術の開発に取り組む久夛良木健氏。クラウドコンピューティングが加速することで、ネット社会の主役はスマートフォンやタブレット端末ではなくなっていくと予言した。不振を極めている日本の家電メーカーが復活するカギも、そこにある。 プレイステーションの開発において、インターネットはどのように意識されていたのでしょうか。 SCEが初代のプレイステーションを発売したのが1994年。プロジェクトの段階から数えるともう20年以上が経ちますが、私はプレステの開発を始めた当初から、どこかの時点でプレステをインターネットに“溶かしたい”という思いを持っていました。 プレステをネットに“溶かす”というのは、ゲームソフトの情報をクライア
日経ビジネスが新年より4回に渡って掲載してきた「動き出す未来」のシリーズ特集も1月28日号で最終回を迎える。1月28日号の特集のテーマは「インターネット」。普及期に入ってからまだ20年にも満たない歴史の浅いインターネットだが、今では企業、個人問わず、仕事や生活に欠かせないライフラインとしてその存在感を増している。日進月歩で急速な変化を続ける、この業界の未来を描くのは難しい。特集の執筆にあたり、日経ビジネスは様々な賢人たちに取材を進めた。「賢者が描く10年後のインターネット」では、世界の賢者の中から、選りすぐったインタビューを掲載する。第1回目はスタンフォード大学で名誉教授を務め、AI(人工知能)分野における「エキスパートシステムの父」と呼ばれるエドワード・ファイゲンバウム氏。本誌の特集「シリーズ動き出す未来(4)ネット化する70億人」とあわせてお読みいただきたい。 AI(人工知能)分野で長
渡辺 康仁 日経ビジネス副編集長 1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。 この著者の記事を見る
電力各社の電力使用状況が、時々ツイッターのタイムラインに流れてくる。 親切な人やおせっかいな人や押し付けがましい人や心配性の人が、それぞれ、折にふれてリツイートしてくれるからだ。 見ると、たしかにこれは、かなりヤバい。 この夏、大飯原発の再稼働を前に、電力不足の懸念が叫ばれていた当時と比べても、状況はさらに逼迫している。 東京電力は、なんとか90 パーセント前後で持ちこたえている(それでも12 月10 日には90.33%に到達した)が、中部電力、東北電力、北海道電力は、連日90 パーセントを超えている。軒並み、真っ赤な警報ラインだ。特に東北電力は、12月9 日に97 パーセント、10 日に95 パーセントを記録している。これって、ほとんど電力ダウン寸前ではないか。 ここへきての電力不足の原因については、原子力発電所の停止以外にも、火力発電所の定期点検や事故による停止など、いくつかの要因が背
日本型雇用慣行の議論を続けよう。日本経済の再生を考えていくと、いろいろなところで日本型雇用慣行が障害になっていることに気づく。したがってこれを変えていくことが必要なのだが、多くの人はこれを変えるつもりはない。むしろ続けてほしいと思っている。このギャップが非常に大きいというのが私の言いたいことだ。 このギャップを埋めるのは大変難しく、私自身はやや諦めかけているのだが、地道に説いていくしかないのであろう。前回は、なぜ日本型雇用慣行が強固に存続し続けているのかについて考え、多くの人がこれを変えたがらないという実態を紹介した。今回からは、なぜ変えなければならないのかという問題点の方を考えることにしよう。 なぜ日本型雇用慣行は評判が悪いのか 前回見たように、日本では多くの人が「日本型雇用慣行は望ましい」と考えている。「日本の伝統に即したものだ」「日本型雇用慣行こそが日本の力の源泉だ」とまで言う人もい
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